月刊 現代農業 > 「現代農業」用語集 > 土と肥料_基礎用語

乳酸菌(にゅうさんきん)

通性嫌気性菌で、嫌気的な条件で乳酸をつくるが、酸素があっても平気。桿菌と球菌があり、桿菌にはヨーグルトや乳酸菌飲料をつくるラクトバチルス、球菌にはチーズやヨーグルトをつくるストレプトコッカスなどがいる。

糖をエサに乳酸などの有機酸を多くつくり出し、抗菌作用を発揮するため、「掃除屋」の異名を持つ。pHを下げることで食中毒細菌などの有害菌を抑えるが、こうじ菌などのカビや酵母菌(真菌類)は乳酸の影響を受けない。

乳酸菌の増殖には、糖類のほか、アミノ酸やビタミンなどが必要。牛乳、米ヌカ竹パウダーなどでよく殖える。ボカシ肥や発酵肥料づくりでは、こうじ菌や納豆菌がデンプンやタンパク質からつくった糖をエサに増殖、乳酸は酸性なのでボカシ肥のpHが下がり、酸性を好む酵母菌が次に増殖しやすくなる。

薄上秀男さんが勧める米ヌカ防除では、葉面にふりかけられた米ヌカのまわりに乳酸菌が増殖し、乳酸によって葉面のpHが四・五以下の酸性になるため病原菌はほとんど活動できなくなるという。また、乳酸などの有機酸には、土の中のミネラルを溶かしたりキレート化したりして、植物に吸われやすくする効果もある。

乳酸菌をメインにした微生物資材も市販されているが、茨城県の福島みよ子さんは、米のとぎ汁に牛乳を混ぜて手作りする乳酸菌液を野菜に散布している。とくにネギの白絹病が激減。石灰防除を組み合わせて黒腐菌核病まで抑え、農薬の使用量は一〇分の一まで減ったという。

乳酸菌による健康効果の研究も進んでいる。腸内環境を整えて有害菌を抑制することに加え、ある種の乳酸菌が、血圧を下げる、免疫機能を高めてガンやアレルギーに対する抵抗力を増す、インフルエンザなどのウイルスの感染を防ぐ、などの効果を持つことが明らかになってきている。


関連記事(会員の方は閲覧できます)

ルーラル電子図書館を検索

電子図書館:乳酸菌

同一ジャンルの用語 「土と肥料_基礎用語