月刊 現代農業 > 「現代農業」用語集

土と肥料_土つくり・施肥法

耕盤探検隊(こうばんたんけんたい)

『現代農業』二〇〇六年十月号で初めて結成された現代農業編集部の特別任命チーム。
与えられた使命は「耕盤はどこにもあるのか」「どんな形、色、厚さ、硬さをしているのか」「どのような実害があるのか(あるいは効用があるのか)」「どのようにしてできるのか」などを農家の実際の圃場で明らかにすること。........

脱プラウ(省耕起)(だつぷらう(しょうこうき))

収穫後のプラウ耕は主に北海道の畑作で長い間常識とされてきた。だが、「プラウ耕は百害あって一利なし」と問題提起したのが元北海道大学の相馬尅之さん。相馬さんは、北海道の畑の物理性を広く調査するなかで、「ロータリによる過度な砕土+プラウ耕」が、土壌の間隙(隙間)を減らす原因であることを突き止めた。春先に........

ヤマカワプログラム(やまかわぷろぐらむ)

ゲリラ豪雨や長雨が頻発し、畑に湿害が発生しやすくなった北海道で生まれた話題沸騰の方法。
耕盤の土を煮出した液「土のスープ」・酵母エキス・光合成細菌の三点セットを畑に散布するだけで、「耕盤が抜ける」という。考案者の山川良一さんによれば、排水性がよくなるのは耕盤が「壊れる」というよりは、微........

炭素循環農法(たんそじゅんかんのうほう)

ブラジル在住の農家・林幸美さんが本誌に執筆した記事をきっかけに広まった。一般的な栽培では主な肥料はチッソだが、炭素循環農法では圃場の微生物を生かすためにチッソより炭素の施用が必要だとする。C/N比(炭素量とチッソ量の比率)の高い廃菌床やバーク堆肥、緑肥、雑草などを浅くすき込むだけで、その他の肥料は........

自然農法・無肥料栽培(しぜんのうほう・むひりょうさいばい)

『現代農業』では二〇一〇年八月号で「自然農法が知りたい」というテーマで巻頭特集を組んだ。青森県・木村秋則さんの自然栽培「奇跡のリンゴ」が話題になって以来、農家の間でも、無肥料無農薬の自然農法への関心が高まっていた頃だ。
自然農法といっても流派はいろいろ。岡田茂吉・福岡正信・川口由一さん........

エンドファイト(えんどふぁいと)

生きている植物体の組織や細胞内で生活する生物のことで、大部分の植物種をすみかとする。宿主である植物に対してチッソ固定やリン酸の供給のほか、病害虫に対する全身抵抗性を誘導する。いっぽうエンドファイトの側は、植物から光合成産物(ブドウ糖など)の提供を受ける共生関係にある。アーバスキュラー菌根菌もこの一........

表面・表層施用(ひょうめん・ひょうそうせよう)

有機物を土へ深くすき込まず、土の表面に置くか、浅起こしで表層の浅い部分に入れることをいう。
生の有機物を土中深くに入れてしまうと腐敗しやすく、根傷みなどの原因となるが、表面・表層施用ならあまり心配はない。土の表面近くは通気性がよく、こうした環境で殖える微生物が、作物の生育に害をなすこと........

有機物マルチ・堆肥マルチ(ゆうきぶつまるち・たいひまるち)

マルチとは「根を覆う」という意味で、作物の生育中に、根を守るために有機物を表面施用し土を覆うことをいう。有機物は大別すると、雑草草生やグラウンドカバープランツ、マルチムギなどのリビングマルチと、敷きワラや堆肥、落ち葉、モミガラや刈り草、米ヌカや茶ガラ、コーヒー粕……などの様々なものを運び込んでマル........

土中ボカシ・土中マルチ(どちゅうぼかし・どちゅうまるち)

土中ボカシは未熟な素材を土の中に入れて土中で発酵させる方法。ボカシ肥をつくる手間が省ける。通気性のあまりよくない土中でもうまく発酵させるために、嫌気性の微生物資材(ラクトバチルス、カルスNC Rなど)や、酸素を発生させる資材を併用する農家が多い。
一方、土中マルチは分解しにくい(C/N........

根まわり堆肥(ねまわりたいひ)

植え穴に、つまり根のまわりによく発酵した堆肥を施用する方法。少量の堆肥を効果的に生かすことができる小力技術。
水口文夫さんによると、畑全面にすき込んだり溝を掘って中に入れる場合と比べ、施用量は一〇〇分の一ですみ、それで同等ないしそれ以上の効果があるという。根まわりの土が固結しないでふか........

ボカシ肥(ぼかしごえ)

米ヌカ、油粕、魚粕などの有機質肥料を発酵させてつくる肥料。有機物を分解させることで初期のチッソが効きやすくなる。かつて、油粕や魚粕など、チッソ成分が比較的多い材料が中心だった頃は、山土や粘土、ゼオライトなどを混ぜ、アンモニアなどの肥料分を保持して肥効が長持ちするようにした。
一九九五年の........

化学肥料ボカシ(かがくひりょうぼかし)

単肥あるいは化成肥料に米ヌカなどを混ぜて発酵させてつくる肥料。代表的なものにMリンPKがある。過リン酸石灰、塩化カリに米ヌカ、微生物資材のMリンカリンをまぜて発酵させる。微生物に取り込まれたり、有機酸と結びつくためか、リン酸が土に固定しにくくなり、カリや過石に含まれるカルシウムもよく効くようになる........

完熟堆肥・中熟堆肥・未熟堆肥(かんじゅくたいひ・ちゅうじゅくたいひ・みじゅくたいひ)

完熟堆肥とは、素材の有機物がよく分解・発酵した堆肥のこと。未熟有機物を施用すると、土の中で急激に増殖する微生物がチッソ分を奪って作物にチッソ飢餓を招いたり、根傷みする物質を出したりすることがある。また、家畜糞中に混じっている雑草の種子を広げてしまうなどの可能性があるため、有機物は発酵させて堆肥にし........

放線菌堆肥(ほうせんきんたいひ)

放線菌を豊富に含み、耕地に施して病気を防ぐ力が強い堆肥。ジャパンバイオファームの小祝政明さんのやり方を主に誌面では紹介した。放線菌が生産するキチナーゼは、根腐萎ちょう病や青枯病などを引き起こすフザリウム菌の細胞壁のキチンを分解するので、これらの病気を抑制するほか、有機物分解能力に優れ、作物の生育促進........

中温発酵(ちゅうおんはっこう)

一般に「堆肥」というと発酵温度が高いほうが良質になると思われがちだが、必ずしもそうとは限らない。小祝政明さんによると、堆積初期の温度が八〇度ぐらいまで上がる高温発酵では、糖分・デンプン・タンパク質など分解しやすいものだけが分解し、オガクズやバークなど難分解性の物質はほとんど分解せずに終わってしまう........

石灰追肥(せっかいついひ)

普通は作付け前に施用する石灰を、生育の途中に追肥する方法。石灰は土の酸性を中和するために使うという従来の考え方、つまり土壌改良剤としての石灰に対し、石灰は生育に必要な肥料分(カルシウム)であり、生育の中〜後期に多く吸収されるから、それにあわせて追肥することが大事、とする考え方。
ポイン........

苦土の積極施肥(くどのせっきょくせひ)

従来あまり意識されてこなかった苦土(マグネシウム)を積極的に施肥すること。『現代農業』では二〇〇二年二〇〇三年と二年連続で十月号で特集を組み、全国で苦土への注目が高まった。そのときの視点は以下のようだ。
石灰や熔リン、あるいは堆厩肥などの入れすぎによって、リン酸や石灰、カリが過剰で、苦土........

糖度計診断(とうどけいしんだん)

糖度計一本で作物の栄養状態がわかるという画期的な技術。これまで経験とカンに頼ってきた生育診断だが、糖度計なら経験年数を問わず、カンではなく数値で、簡単な生育診断ができるため若手や新規就農者を中心に人気がある。
やり方は、作物の葉の付け根を糖度計の採光板で挟んでつぶし、糖度を読む。正常に........

ウネだけ施肥(うねだけせひ)

肥料や堆肥を圃場全体ではなくウネだけにまくこと。減肥のための技術として近年注目されている。
もっとも、農家にとっては昔からなじみのある技術だった。肥料を畑全体にまくようになったのは機械が普及してからのこと。手作業中心だった頃は、広い範囲にまくのはたいへんなので、肥料は作物のそばに少しず........

流し込み施肥(ながしこみせひ)

田んぼの水口から肥料を流し込んで施肥する小力施肥法。手間がかからない、少量でも均一な施肥が可能、夜間や雨天でも施肥できる、安い単肥が使えるのでコストダウンが可能など、多くの利点がある。つなぎ肥も穂肥も、肥料を水口にドサッとあけるだけ。水口前の用水路をせき止め、そこで溶かして流せば水口に肥料が残るこ........