月刊 現代農業 > 「現代農業」用語集

果樹・特産

夢のような仕立て(ゆめのようなしたて)

受粉、摘果、収穫、せん定などの作業がラクになる。成園になるのが早い。多収、品質アップ……、これらを実現させた、魅力あふれる樹形のこと。
たとえば、1本の樹を上下に二分し、2品種同時に着果させる「ミカンの二段式結実法」は、極早生(上部)の収穫が早生(下部)に対して後期重点摘果、また同時に樹冠上部摘果となり、........

低樹高(ていじゅこう)

樹種を問わず、各地で樹を低く抑えるラクラク仕立てが広まっている。
たとえば、わい性台木を利用して樹をコンパクトにする「リンゴのわい化栽培」や、骨格枝を低く開く「モモの大草流」や、樹と樹を連結する「ナシのジョイント仕立て」などは、苗木からのスタートとなり、早期多収の技術としても注目されて........

わい化栽培(わいかさいばい)

わい性の台木を使い、樹を小型に仕立てる方法で、リンゴから普及した。
リンゴでは当初、樹高を二〜二・五mに抑え、最下位の側枝は長さ八五�で切り返して、円錐形の主幹形(細型主幹形)に仕立てる方法として定義され、それを目標に栽培された。しかし、この樹形で安定多収するのは難しく、樹高を三〜三・........

大苗移植(おおなえいしょく)

苗畑で一〜二年養成した苗木を本畑に定植し、翌年から即生産に入る、というやり方。既存樹に接ぎ木する高接ぎや本畑で一年生苗木から育てていく従来のやり方より、成園化までの時間が大幅に短縮できる。果樹経営の大きなネックだった改植、新植がよりスムーズに行なえる。
品種の更新サイクルが短くなるなか........

ジョイント仕立て(じょいんとじたて)

神奈川県農業技術センターが開発した仕立てで、ナシの樹をとなりどうしでつなげて一本にしてしまうやり方。ナシの平棚栽培では、樹の若さを保つために主枝の先端を強く維持するという面倒な管理があるが、この仕立てなら主枝先端がなくなり、樹勢維持は樹が助け合いながら勝手にしてくれる。しかも、側枝は主枝の両側にム........

摘心栽培(てきしんさいばい)

新梢の先端を早い時期に摘むこと(=摘心)で、徒長枝を抑え、節間の短い小さな枝と花芽を多くつけ、果実が成りこむ樹に変える栽培法。摘心によって、強くなる新梢の生長が抑制され、先端部の芽から小さい枝が数本伸び、その枝には花芽がよくつくので、枝全体が落ち着き、コンパクトな成りこみ型になる。また、節間の短い........

新短梢栽培(しんたんしょうさいばい)

山梨県の小川孝郎氏が開発したブドウの小力栽培方法。従来の短梢せん定では、樹勢に応じてせん定量の加減ができない、新梢を棚下へ垂らすため作業性が劣る、新梢が損傷しやすく空間を補いにくい、誘引作業に手間と技術を要するなどの欠点があったが、新短梢栽培は、㈰樹の更新を一〇年とする、㈪密植で作業は単純・省力化........

大草流(おおくさりゅう)

山梨県韮崎市大草町の矢崎保朗・辰也さん父子が考えた低樹高・多収のモモ小力栽培法。低い位置から分岐した主枝に竹を添えて低く誘引するので主枝先端でも高さ三・五〜四・〇mほど。骨格枝が低く開いて、八方に長く伸びているので傘や富士山をひっくりかえしたような樹形をしている(図)。低樹高・小力化というと小型樹........

徒長枝利用(とちょうしりよう)

「徒らに長く伸びた枝」として切って捨てるのでなく、樹が自身の樹勢調節のためにやむなく出した枝と見て積極活用していくこと。とくに主枝や亜主枝など太枝上に立った枝を活かすことが多いので、秋田のリンゴ農家の佐々木厳一さんらは立ち枝(直立枝)利用、と表現している。
太枝の直上にびゅーんと立った枝........

切り上げ・切り下げせん定(きりあげ・きりさげせんてい)

枝の切り方の二つのタイプ。立ち枝を残して切るのを「切り上げ」、立ち枝は切り、残す枝が横に寝るように切るのを「切り下げ」という。
せん定で難しいのは、外へ伸びる樹の勢いは維持しながら、内部へ成り位置を戻すこと。従来は後者の切り方が樹勢を落ち着かせ、よい成り枝を作るとされたが、見た目と違い........

夏肥(なつごえ)

カンキツの施肥時期を示す用語で、正確には夏元肥。静岡県柑橘試験場場長を務めた中間和光さんが、カンキツ樹の光合成が光の強さより温度と日長に支配されることをふまえ、その条件をもっとも満たす夏季にこそ、必要な養分も供給すべしとして提唱した。
中間さんの試算では、年間チッソ施用量二〇〜二四�(........

秋元肥(あきもとごえ)

落葉果樹で、元肥を秋にやること。
これまで落葉果樹では、「目に見える」生育の始まりは春の発芽であり、それに先立って冬や春にやる施肥を元肥だと考えてきた。けれども、樹の生理から見ると、発芽に必要なエネルギーである貯蔵養分の蓄積や花芽の形成は、すでに前年の秋の栄養状態で決まってしまう。貯蔵........

貯蔵養分(ちょぞうようぶん)

果樹が、翌年の生育のために蓄える養分のこと。前年の夏から秋の養分蓄積期に蓄えられ、おもに炭水化物、そしてチッソ化合物、無機養分などからなる。
一年生作物とちがって永年作物である果樹では、その年の果実収量をあげる養分と同時に、翌年の生育に向けられる養分を蓄えておくことが大切だ。とくに春の........

稼ぎっ葉(かせぎっぱ)

せっせと光合成する、働き盛りの葉。小ぶりで厚みがあって、緑も濃い。弾力がすごいので、手でグシャッと潰しても、すぐに元通り。
ブドウ農家の深谷一郎さんは、この稼ぎっ葉を摘心でつくりだしている。新梢の先端(生長点)をピンで潰すことで、養分のムダ使いを抑え、葉を「未熟な不要家族」から「成熟した大人」へと........

隔年結果(かくねんけっか)

一年おきに豊作不作を繰り返す現象で、ミカンやリンゴ、カキなどで顕著に見られる。豊作年を表年、不作年を裏年ともいう。収量の増減は二〇〜三〇%の範囲だが、ごそっと半分減収することもあり、果樹農家の経営を圧迫する要因となっている。
近年、ミカンの場合だと、高温、干ばつ、長雨、寒害などの環境的........

草生栽培(そうせいさいばい)

果樹園に下草を生やす園地管理法。除草剤や中耕で草を枯らすと細根が傷み、果実の味が悪くなるなどといわれ、下草を生やさない「清耕栽培」は減る傾向にある。土壌流亡の防止、有機物の補給などが主目的の草生栽培だったが、最近は草で草を抑える、作業性改善、土着天敵涵養など、ねらいが多様になってきている。
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SS受粉(えすえすじゅふん)

農薬散布機のSS(スピードスプレーヤ)を使った、なんとも豪快な人工受粉。花粉を風で飛ばす方法と花粉溶液を散布する方法の二通りがある。
果樹の受粉といえば、梵天や毛ばたきや専用の機器を使うのが一般的だが、それだと上を向いての作業で、肩や首が痛くなってしまう。神経も使う。また、タイミングが命なので、........

茶園のウネ間(ちゃえんのうねま)

茶園のウネ間がドブ臭い。そして、根が傷んでいる。各地の茶産地から聞こえてくる声を受け、静岡県で土を掘ってみたのが事の発端である。その際は、わずか二〇mしか離れていない二つの畑で、いっぽうには根がない。いっぽうには根が縦横無尽。この結果に対して全国の茶農家から多くの意見が寄せられた。特に根の張れない........

竹の一m切り(たけのいちめーたーぎり)

しつこく広がる竹を根絶やしにする画期的な技術。まず、冬の間(十二月から二月)に竹を一mの高さで切っておく。すると、春に盛んに水を吸い上げ、やがて地下茎もろとも枯れてしまう(図)。
記事は大反響で、竹の侵食に困り果てていた人々にとって、このうえない朗報となったようだ。一mの高さで切れば、........

自伐林家(じばつりんか)

おもに自分の持ち山で、伐採から搬出、出荷まで自力で行なう林家のこと。木材の価格が安い現在では、間伐を委託すると山の持ち主に利益はほとんど残らないわけだが、もし自分でやれるなら、コストがかからない分、そこそこの収入になるはずだ。
国は「森林・林業再生プラン」を策定して大規模集約林業を後押........