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納豆菌(なっとうきん)

名前のとおり納豆ができるときに働く菌で、タンパク質やデンプン、脂肪を分解する力が強く「分解屋」の異名を持つ好気性菌。分類上は、バチルス属の中の枯草菌の仲間で細菌の一種。

田んぼや湿地を好み、ワラや枯れ草などに棲みつく。pH七〜八の弱アルカリを好む。「宇宙から来た菌」「世界最強の菌」と呼ぶ人もいて、高温や低温、乾燥などの悪条件下では芽胞を作り(休眠)、何万年でも生き延びる。ほとんどの農薬に混ぜても平気。紫外線や放射線にも強い。

増殖スピードが速いので病原菌との椅子取りゲームに強く、抗菌物質やセルロース分解酵素も出すので、作物の病気対策に力を発揮。納豆菌の仲間のバチルス菌が微生物農薬として市販されているほどで、食品の納豆を利用した納豆防除に取り組む農家も増えている。

薄上秀男さんによると、極上の発酵肥料をつくる際には、最初に糸状菌(こうじ菌)による糖化作用、続いて納豆菌によるタンパク質の分解作用、最後に酵母菌によるアミノ酸の合成作用という三段階が必要で、中でも納豆菌による分解作用が十分に行なわれるかどうかがカギになるという。

納豆菌は家畜や人間の健康にも役立つ。納豆水を飲ませると子豚の下痢が減り発育がよくなったり、子牛のスターター(濃厚飼料)に納豆粉末や枯草菌資材をふりかけて食べさせると下痢予防になったりする。倉敷芸術科学大の須見洋行さんによると、納豆菌は乳酸菌を殖やして人間の腸内環境を整え、納豆菌が出す抗菌物質には病原性大腸菌を抑制する効果もある。


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