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溝底播種・穴底植え(みぞぞこはしゅ・あなぞこうえ)

畑に溝を切り、その底に播種して被覆資材をべたがけしておくだけで、真冬でも葉物がスクスク育ってしまうという画期的な技術。畑の足跡に播いたタネは他よりも生育がよかったという体験から、元東北農試の小沢聖さんが考案。播種機の後ろにソロバン玉状の鎮圧具をつければ、播種しながら溝がつくれる。

溝は五cm程度だが、たった五cmのこの溝が作物に快適な環境をつくり出す。まず地温が変わる。溝底では、昼は地温が低くなるが、夜間は、昼に溝上の土に蓄えられた熱がべたがけ下で放出されて高くなる。昼夜の地温が安定するので、発芽と初期生育が順調に進む。保湿の効果も大きい。溝上は乾燥していても、溝底の湿り具合は目で見てわかることもあるほど。また、水分の蒸発は溝上で多く溝底では少ないので、塩類集積の被害を回避する効果もある。

いっぽう夏の暑い時期にも溝底播種は効果を発揮する。夏はもちろんべたがけは不要だが、溝上に比べて溝底は涼しく、湿度も保たれることから、ニンジンなどの発芽がよい。

この原理を応用して、最近は穴底植えが流行中。保温効果に加え、たとえば長ネギは穴をあけて苗を放りこんでおくだけで、土寄せいらずで生長する。最初からマルチをかけられるので草にも負けない。収穫までほったらかしで、女性でも片手でラクラク抜ける、といいことずくめ。トウモロコシやサトイモなど、作目も広がり実践者が激増している。


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