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積極かん水(せっきょくかんすい)

作物に思う存分、蒸散させる技術である。蒸散量に見合うかん水量があると、水と一緒にカルシウムが引っ張られて果実の尻腐れや葉焼けが減る。また、気化熱によってハウス内も涼しくなり、日焼け果なども減る。

逆に水不足になると葉は気孔を閉じて蒸散を減らそうとする。気孔が閉じれば、せっかく炭酸ガスを焚いても吸われない。

植物体の約九〇%は水で、光合成の材料としても欠かせない。最近は環境制御に取り組む農家が、かん水量を大幅に増やして増収している。ミニトマト農家の岡本直樹さん(愛知県)は、環境制御導入三年で反収一二tから一七tに大増収。かん水量は通常の二〜四倍量に増やしている。以前は遮光で対応していた春先の萎れも、かん水を増やしたら解消してしまった。これまでトマトでは特に、かん水を控えてつくるのが当たり前だったが、その常識に一石を投じた格好だ。

かん水量は日射量に応じて増やすのが基本。例えば一月上旬と比べて三月上旬は日射量が二倍に増えるので、かん水量も二倍に増やす。また、少量多かん水が望ましく、一日の中でも日射量が増える正午のかん水量を増やす。

かん水量を増やすと作物が水ぶくれ(軟弱徒長)するのでは? とも思えるが、これは、肥料も同時に増やすことで防ぐことができ、糖度が落ちるようなこともない。

かん水には、夏場の地温低下や土壌中へ酸素を供給するなどさらに積極的な意味もある。

一方、排水性が悪くて、積極かん水をやりたくてもできない圃場もある。耕盤の破砕や暗渠・明渠の設置など、積極かん水と土の物理性改善は不可分の技術である。


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