月刊 現代農業 > 「現代農業」用語集 > 野菜・花

寒じめ(かんじめ)

冷たい空気に野菜をさらすことを寒じめと呼び、これによって甘みが増し、ビタミンC、ビタミンE、β―カロテンのいずれも増加する。野菜が寒さに耐えるために葉の水分を減らし、糖を増加させるためである。ビタミンも糖から作られるので増加するというわけだ。いっぽう硝酸は減ることがわかっている。葉は厚く、姿は開張型。

やり方はきわめて簡単。ホウレンソウを例にとると、平均気温がおよそ五度を下回る時期に出荷可能な大きさに育つようハウスに播種する(盛岡なら九月下旬頃以降)。施肥や管理は通常どおり。温度が低くなれば溝底播種し、べたがけをして生育させる。収穫可能な大きさに育ったら、ハウスの両サイドや出入り口を開放し、外の冷たい空気が自由に吹きぬけるようにする。この状態のまま何もせず昼夜かまわず放置すればよい。ホウレンソウはおよそ五度より低くなると伸長を停止するので、三月上旬頃までいつでも収穫できる。収穫作業に追われることもないから、まさに高齢者・女性向きの栽培法でもある。

青ものが少ない冬場に栄養タップリの野菜をつくり、地元の人々の健康づくりに役だてよう、そんな気持ちをもった東北農試の研究者が生んだアイデアである。ホウレンソウ以外にもコマツナやレタスなどでも効果がある。またニンジンやキャベツの雪下野菜や、雪室で貯蔵した野菜の糖度が増すのも同じ原理だ。


関連記事(会員の方は閲覧できます)

ルーラル電子図書館を検索

電子図書館:寒じめ

同一ジャンルの用語 「野菜・花