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木炭(もくたん)

南米・アマゾン川流域の住居跡で見つかる「黒い土」では、不思議と作物や樹木がよく育つ。その黒い土に炭が含まれていることがわかったのは近年のことだ。炭は、日本の農家にとって木酢液と並ぶ代表的な自給資材。畑や田んぼに入れるなら、簡単にやける伏せやきの炭で十分だ。地面に大きな穴を掘って炭を量産し、大いに活用している農家もいる。

作物にとって炭には次のような効果がある。(1)微生物を定着させる、(2)肥料成分を保持、(3)水に溶けやすいミネラルを供給、(4)保水効果、(5)通気性を高める。おそらくこれらの効果のために、多くの農家が田畑に炭を入れると作物の根張りがよくなるという経験をしている。連作障害などの土壌病害を防げたり、減肥にもつながる。

炭に定着する微生物ではVA菌根菌が有名だ。菌根菌が作物の根圏で菌糸を張りめぐらせると、土中のミネラルやリン酸をかき集めて根に供給してくれる。空中チッソを固定する根粒菌も炭との相性がよい。また、炭に光が当たると発する超音波が微生物を活性化するという研究もある。炭を川や池に入れると、炭に微生物の膜(バイオフィルム)ができて浄化力を発揮するが、これも炭の超音波が引き金になっているという。微生物との相性の良さを活かして、堆肥やボカシ肥と混ぜて使うのもよい。また、畑全面に施さなくても、作物の根まわりや土表面にマルチするだけで効果を実感できる。

炭はこの他にも、家畜に食べさせて健康や悪臭除去に役立てたり、家屋の調湿やご飯を炊くときに入れるとおいしく炊けるなど、じつに多様に利用されている。旧ソ連のチェルノブイリ事故後には、炭をすりつぶして飲ませたところ放射性物質を排出するのに役立ったという話もある。炭をやき、それを田畑に施用することは、大気中の炭素を封じ込めて地球温暖化防止に貢献するという点からも注目されている。


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