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米ヌカ(こめぬか)

玄米を精米した時にでるヌカ。イネの種子は表皮部、胚芽部、胚乳部と、それらを保護するモミガラからできているが、このうち胚芽と表皮部を合わせたものが米ヌカとなる。胚芽は芽、つまり次代に受け継ぐ命そのもので、これを生かすためにデンプンというエネルギーを貯えているのが胚乳部(白米)である。

米ヌカはリン酸ミネラル、ビタミンなどに富み、昔からスイカなどの味のせ肥料として重宝されてきた。イネに使えば米のマグネシウムがふえて食味がよくなる。そして、米ヌカの最大の魅力は、発酵を進める力がとても強いこと。おいしいヌカ漬けができるのは、米ヌカによって酵母菌乳酸菌などの有用微生物が増殖するからだ。田んぼにまけば表層の微生物が繁殖、土ごと発酵トロトロ層ができ、畑にまけば土の団粒化が進む。米ヌカで元気になった微生物は土のミネラルなどを有効化し、米ヌカの成分と合わさって作物の生育を健全にし、病原菌の繁殖を抑え(米ヌカ防除)、味・品質をよくする。水田の米ヌカ除草も、急速な微生物の繁殖を生かすやり方だ。

農業生産のためにこれほど大量の米ヌカが使われるようになった背景に、米の産直の広がりがある。以前は、米ヌカの大半は米油用も含めて都市に向かい、手元に残った米ヌカの多くはヌカ漬けの床に使われ、一部が飼料や、ボカシ肥堆肥つくりの発酵材として活用されるだけだった。米の産直で農家自身が精米まで引き受けるようになって以来、米ヌカは農家が自由に大量に使えるものに変わり、田畑を豊かな発酵空間にしていく動きが広がっている。


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