月刊 現代農業 > 「現代農業」用語集 > イナ作・水田活用_栽培体系

直播栽培(ちょくはさいばい(じかまきさいばい))

別の場所で苗を育てたりせず、種モミを直接水田に播種してイネを育てる方法。「稲作作業のうち、育苗の占める割合は七〇%」という人もいるほど、苗つくりは労力のかかる仕事であり、これを省略できれば、忙しい春作業がうんとラクになる。規模拡大も容易になるので大きい農家から注目されることが多いが、苗箱運びなどの重労働からも解放されるので、労力のない小さい農家にも魅力的だ。

だが、実際に直播栽培してみると、「育苗すること」で回避し、安定させてきたはずの様々な課題に直面する。出芽率・苗立ちが悪い、カモなどの鳥害・ジャンボタニシによる食害、草に負けやすく除草剤が多く必要、厚播きになることが多く倒伏しやすい等々、うまくいかずにかえって労力やコストがかかってしまうことも少なくない。国や県も研究に力を入れ、湛水直播・乾田直播・不耕起直播・条播・点播・カルパー粉衣・鉄コーティング他いろいろな方式や播種機を開発してきたが、決定打になる技術はいまだ確立されていない。直播栽培こそは、「育苗を省く」という「省力技術」の考えでは成功せず、自然力にうまく助けてもらう「小力技術」の方向が必要なのではないだろうか。

『現代農業』では、主に農家の工夫により開発された「小力の直播栽培」を紹介してきた。愛媛県・重川久さんの「麦間不耕起播種法」は、麦ワラと米ヌカを活用することで入水後の除草剤は必要ない。青森県・福士武造さんは水を自在に利用できる「地下かんがい法」で、寒冷地では難しいとされるX溝乾田直播でも抜群の出芽率を実現。六〇〇kg以上の反収をあげている。

その他、レンゲ直播、アイガモ+直播、布マルチ直播なども注目だ。


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