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アイガモ水稲同時作(あいがもすいとうどうじさく)

アイガモを使って、田んぼの除草をする方法として知られている。除草剤がいらなくなることとアイガモの可愛さもあいまって、農家だけでなく、学校や消費者にもとても人気がある。

アイガモとは、カモとアヒルの交雑種。野生のカモのように飛んで行ってしまうことはないし、アヒルより身体が小さくてよく動くのがいい点。だが実際には、カモに近いアイガモ、アヒルに近いアイガモなど、いろいろな種が存在するし、マガモやアヒルで同様に水田除草する人もいる。

苗が活着した頃に幼鳥を水田に放飼する。最大の敵は、アイガモをねらって外から侵入する野犬・イタチ・キツネ・カラスなど。アイガモ田の周りにはネットや電気柵を張り巡らせて、外敵防除するのが普通。

だが、福岡県の古野隆雄さんが提唱した「アイガモ水稲同時作」は「除草効果」だけに終わらない。ウンカ他の害虫やジャンボタニシまで食べ尽くす「害虫防除効果」、糞が肥料になる「養分供給効果」、くちばしで稲株や根をつついてイネをズングリ開張形に育てる「刺激効果」、足で常に水と泥をかき混ぜながら泳ぐ「フルタイム中耕濁水効果(F効果)」他、じつに総合的な技術である。アイガモが泳ぐことで、イネもよく育ち、生産力が上がる。そして秋、田んぼからの収穫物は米だけでなく、大きく育ったアイガモの肉! これを古野さんは「田んぼから、ご飯とおかずがとれる」と表現した。

「水田は米だけをつくる場所」という概念を打ち砕き、田んぼを豊かな生命空間・生産空間として提示したことが、アイガモ水稲同時作の最も大きな功績かもしれない。

また古野さんは、地域の農地荒廃を防ぐための大規模化・小力化を視野に入れ、近年は「アイガモ乾田直播」の技術を磨いている。


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