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寒だめし(かんだめし)

「小寒(寒の入り)から立春までの三〇日間の気候に、その年一年間の気候が凝縮されている」という考え方に基づいた天気予測法。テレビやインターネットで天気予報を気軽に見られる環境でなかった江戸時代の人たちは、この方法で一年の天気を予測し、計画を立てていたという(日本農書全集第一巻「耕作噺」に詳しい)。

今は実際に寒だめしをやる人は少なくなってしまったが、「七割は当たる」との感触で続けている農家もいる。宮城県栗原市のキク農家・白鳥文雄さんは、毎年、極寒のこの三〇日間、一日四回の天気・気温・風などの計測を欠かさず、自分なりの年間天気予測図を作成。今年は暑いのか寒いのか、やませや台風はいつ来るのか、などを考慮してキクを植え付け、盆の高値の時期にちょうど開花するよう仕組んだりするのに活かしている。

昔の人は寒だめし以外にも、旧暦の毎月一日(朔日)の天気がその後一カ月の天気を表わすと考えたり、干支の周期でどんな年となるかを予想したりと、今の時代からは非科学的に見えるいろいろな方法で未来を予測して暮らしを設計していた。根底には「天気はめぐるもの」というとらえ方があり、その規則性を探りながら予測の精度向上を図っていたようにも思う。――今よりずっと自然との距離が近かった人たちの知恵と科学だ。学ばないほうが愚かなのではなかろうか。


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