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自然農薬(しぜんのうやく)

化学合成した農薬ではなく、自然素材から農家が工夫して作り出した農薬を「自然農薬」という言葉でよんできた。身のまわりには、ちょっと工夫すれば何らかの効用を引き出せる自然のものがたくさんある。トウガラシやニンニクはその代表。ヨモギ・ドクダミ・ハーブ類・ニーム・ショウガ・クマザサ・スギ・ヒノキ・マツ・シキミ・スギナ……、木酢液や竹酢液だってそうだし、ドブロクだって牛乳だってキムチ汁だって使える。素材は無限にあるし、虫や病気によく効くものから、作物の健康増進・活力アップに使うものまで、効用も様々だ。

なかでも植物エキス利用の自然農薬は、植物がそれぞれ持っている身を守ろうという成分を抽出・活用する方法ともいえる。抽出の方法も人によりいろいろで、水に漬けたり、煮沸したり、焼酎などのアルコールや木酢・食酢、もしくは微生物による発酵抽出に凝っている人も多い。だがいずれも、その植物の持つ成分のうち「効くもの」だけを分離・強化して効かせようという化学合成農薬的な発想ではなく、植物の生命力をまるごと活用させていただくという発想に基づいた技術といえる。効きはマイルドだが、抵抗性はつかない。

じつに多様で複雑、農家の創意工夫の結晶であるこの自然農薬を、昨今の農薬取締法では規制する動きがある。もちろん「自然由来のものだから安全」とは必ずしもいいきれないが、たとえばトウガラシエキスを飲んだり目に入れたりしたら危険なことは、つくった農家が一番よくわかっている。効果についても、これは第三者に判定してもらうようなものではなく、効かなかったら効くようにまた工夫を重ねればいいだけのことだと思うのだが、どうだろうか?


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