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堆肥栽培(たいひさいばい)

堆肥に含まれる肥料成分を計算して施用量を決め、不足成分を化成肥料などで補う栽培を、あえて「堆肥栽培」とよぶことにした。

昔は堆肥といえばイナワラなどが主体で、肥料成分を考える必要がない「土壌改良材」の位置づけでよかったが、近年は家畜糞などが主な材料となることが多く、肥料分リッチな存在に変わっている。二〇〇八年、化成肥料の価格高騰を機に、それまで無視されてきたこの堆肥の肥料分に農家の目がいっせいに向いた。そして翌二〇〇九年が「堆肥栽培元年」。地域で安く手に入る有機物をメインの肥料とする時代の幕開けだった。

堆肥栽培は、肥効がゆっくりで、気温の上昇とともにだんだん効いてくるというのもいいところ。作物の生長スピードと釣り合うことが多く、特に堆肥稲作ではへの字型生育が実現。高温障害にも強くなることが確認されている。

実際の施肥設計の際は、堆肥の中にどのくらいの肥料成分が含まれているか、それが施用した年にどのくらい効くか(肥効率)を計算しないといけない。土壌学者・西尾道徳さんが出している肥効率の目安は、チッソ四%未満(乾物)の堆肥なら、その年効いてくるチッソは全体の三〇%(一〇年以上連年施用しているような圃場なら六〇%)、リン酸は一〇〇%、カリは六五%とのことなので、あとは土壌診断の数値と考え合わせて施用量を決める。――という具合に数字で計算してみることも大事だが、相手は堆肥。材料によって、発酵状態によって、実際の数値はかなり変わってくるはずだ。目安は目安とわきまえて、少しアバウトな気持ちで作物の様子を見ながら自分なりの使い方をつかんでいくことこそが堆肥栽培の要諦だろう。


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