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納豆防除(なっとうぼうじょ)

納豆に水を加え、ミキサーなどで攪拌したどろどろの液体(納豆水)を、希釈して作物にかけると、さまざまな病気の発生や進行を抑える効果がある。愛知県の小久保恭洋さんがキクの白サビ病で試験を繰り返して効果をつきとめると、その後花農家を中心に各地で広がり、カーネーションの斑点病や、トマトの葉カビ病、キュウリのウドンコ病などの他、さまざまな病害への効果が報告されている。

納豆に含まれる納豆菌(バチルス・ズブチリス・ナットー)が作物上で活躍、病害を抑制していることが推測されるが、そういえば市販の微生物防除剤ボトキラー水和剤やインプレッション水和剤の主成分もバチルス・ズブチリス菌で、納豆菌の仲間だ。バチルス菌は全般にとくに繁殖力が強いので、作物表面で優先的に増殖し、病原菌のすみかとエサを奪っている(静菌作用)と考えられる。またネバネバ物質を出すのも特徴で、そこに含まれる抗菌物質も効果を発揮しそうだ。納豆防除を勧めているジャパンバイオファームの小祝政明さんは、納豆菌が分泌するセルロース分解酵素が糸状菌の細胞膜を分解するとも説明している。

手作りパワー菌液の代表格「えひめAI」にも納豆が使われており、とくに農業利用の場合は納豆の量を多めにつくると病気抑制力が強くなると実感する人が多いようだ。また、納豆を患部に巻いてリンゴのフラン病を治したり、バラの根頭がんしゅ病に納豆ボカシをのせておくと治ったり、以前から納豆で病気を治す人はいた。

何せ納豆は、抗生物質のなかった時代、日本海軍でコレラやチフスの「薬」として重宝されていたほどの抗菌力を持つ。O―157も、納豆で消失するほどだ。


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