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土着菌・土着微生物(どちゃくきん・どちゃくびせいぶつ)

世の中は菌であふれている。身のまわりの自然――山林や竹林、田んぼなどから菌はいくらでも採取できる。たとえば林の落ち葉やササをどかすと真っ白な菌糸のかたまり(これを「ハンペン」とよぶ)が採取できるので、これをボカシ肥などのタネ菌として利用する。かつて、さまざまな市販微生物資材が一世を風靡した時代があったが、最近では、その土地に昔からあり、その地域環境に強く、しかも特定なものでなく多様な土着菌こそが大切であるという考え方が広がっている。

土着菌は、採取する場所によって、あるいは季節によって性格が少しずつ違い、その活用には観察眼と技術がいるが、それがまた土着菌のおもしろさでもある。その土地に合っているせいか、市販の微生物資材にはないパワーを発揮することもよくあるし、もちろんおカネがかからないのもいいところだ。

採り方は、山の落ち葉の下に菌糸が見つかればそれを集めればいいが、見つからない時は腐葉土の中へ硬めのご飯を入れたスギの弁当箱を置く。五、六日後にはご飯に真っ白のこうじ菌、もしくは赤や青などの色とりどりの菌(ケカビの仲間)が生えるので、それを採取する。秋、イネを刈り取ったあとの稲株の上に、やはり硬めのご飯をつめたスギの弁当箱を伏せて置いてもよい。

採取した土着菌に黒砂糖自然塩にがりなど海のミネラルを加えてパワーアップさせたり、家畜の発酵飼料に使って糞尿のニオイをなくしたり糞出しを減らしたり、農家の土着菌利用はますます深みと広がりをみせている。

地球上で自分の土地にしかいない菌をわが手で採取・培養・活用できるのが、土着菌の醍醐味である。


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