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完熟堆肥・中熟堆肥・未熟堆肥(かんじゅくたいひ・ちゅうじゅくたいひ・みじゅくたいひ)

完熟堆肥とは、素材の有機物がよく分解・発酵した堆肥のこと。未熟有機物を施用すると、土の中で急激に増殖する微生物がチッソ分を奪って作物にチッソ飢餓を招いたり、根傷みする物質を出したりすることがある。また、家畜糞中に混じっている雑草の種子を広げてしまうなどの可能性があるため、有機物は発酵させて堆肥にして施用する方法が昔から広く行なわれている。

何をもって「完熟堆肥」と呼ぶのか意見が分かれるが、完熟は「完全に分解しつくした」という意味ではなく、土に施しても急激に分解することなく、土壌施用後もゆるやかに分解が続く程度に腐熟させたもの、という解釈が一般的。有機物の中の「易分解性有機物」は分解したが、分解しにくいものはまだ残っている状態といえる。堆肥の温度が下がり、切り返しをしても温度がさほど上がらず、成分的には、有機物のチッソの大部分が微生物の菌体またはその死骸となり、C/N比が一五〜二〇になったものをいう。

いっぽう「未熟堆肥」とは、易分解性有機物が未分解の状態で、表面施用土ごと発酵には向いているが、土に深くすき込むと害が出る可能性が高い。「中熟堆肥」とは、易分解性有機物がまだ少し残っている状態で、施用してから作付けまで少し期間をあけるなどの注意が必要。

ジャパンバイオファームの小祝政明さんは、完熟一歩手前の中熟堆肥こそが「力のある堆肥」だという。完熟堆肥は発酵が終わっているので微生物の量が意外に少ないのだが、完熟になりきる手前で発酵を切り上げた中熟堆肥は微生物の量が多い。納豆菌放線菌酵母菌などの有用菌が最も多くなるのもこの時期で、堆肥には土壌病害虫抑止力がある。もちろん未分解の微生物のエサもまだ多い状態なので、土に施用後も勢力を拡大できるとのこと。


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