月刊 現代農業 > 「現代農業」用語集 > 土と肥料_土つくり・施肥法

苦土の積極施肥(くどのせっきょくせひ)

従来あまり意識されてこなかった苦土(マグネシウム)を積極的に施肥すること。『現代農業』では二〇〇二年二〇〇三年と二年連続で十月号で特集を組み、全国で苦土への注目が高まった。そのときの視点は以下のようだ。

石灰や熔リン、あるいは堆厩肥などの入れすぎによって、リン酸や石灰、カリが過剰で、苦土が欠乏している畑が多くなっている。そこで、不足する苦土を硫酸苦土水酸化苦土といった単肥で補う。苦土は葉の葉緑素の構成元素であり、酵素の成分でもある。また苦土はリン酸といっしょに吸収されるという性質をもつので、苦土の施用で、たまっていた「リン酸貯金」をおろすことができる。リン酸がよく効くようになると、やがてそれまでたまって動かなかった石灰やカリも吸われだすので、石灰やカリを積極施肥するケースもでてくる。そうやって、たまって動かなかった養分全体が動きだすようになるのが、苦土の積極施肥の醍醐味であり、そういう意味で苦土は「起爆剤」なのである。

当時、苦土をやったら見違えるほど生育がよくなったという事例報告が相次いだ。葉がテカテカに光って分厚くなるのが印象的だ。また、有機質肥料の中に苦土成分が高いものがあまりないので、有機栽培農家に特に苦土不足が起きているという指摘もあった。

苦土単用で語られることが多い「苦土の積極施肥」だが、苦土とリン酸、苦土とカリと石灰の塩基バランス(五:二:一がいいといわれている)が大切で、バランスをとる形で苦土を生かすことが重要である。それには土壌診断や生育診断が欠かせない。


関連記事(会員の方は閲覧できます)

ルーラル電子図書館を検索

電子図書館:苦土の積極施肥

同一ジャンルの用語 「土と肥料_土つくり・施肥法