月刊 現代農業 > 「現代農業」用語集 > 土と肥料_土つくり・施肥法

炭素循環農法(たんそじゅんかんのうほう)

ブラジル在住の農家・林幸美さんが本誌に執筆した記事をきっかけに広まった。一般的な栽培では主な肥料はチッソだが、炭素循環農法では圃場の微生物を生かすためにチッソより炭素の施用が必要だとする。C/N比(炭素量とチッソ量の比率)の高い廃菌床やバーク堆肥、緑肥、雑草などを浅くすき込むだけで、その他の肥料はいっさいなし、それだけで虫も病気も寄らない極めて健康な作物が育つという。

微生物によって有機物が分解されるときは、C/N比によって分解のされやすさが変わる。炭素循環農法ではC/N比四〇を境に、これ以下ならバクテリア(細菌類)が、これ以上ならキノコ菌などの糸状菌が主に働くと考える。糸状菌は、いったん縄張りを確保し有機物をガードしてからゆっくり分解する性質をもっているので、一度に大量のチッソを必要とせずチッソ飢餓を起こさない。逆にC/N比が低い有機物は、急速な分解のためにチッソを一度に必要とするのでチッソ飢餓を招く原因になる。そのため炭素循環農法では、微生物などの土壌生物がもっているチッソ以外の無機態チッソは過剰と考える。一般にはこの無機態チッソが作物の肥料と考えるが、C/N比を下げて糸状菌の働きを邪魔するもとであり、病害虫発生の直接原因になると見ている。


関連記事(会員の方は閲覧できます)

ルーラル電子図書館を検索

電子図書館:炭素循環農法

同一ジャンルの用語 「土と肥料_土つくり・施肥法