稼ぎっ葉(かせぎっぱ)せっせと光合成する、働き盛りの葉。小ぶりで厚みがあって、緑も濃い。弾力がすごいので、手でグシャッと潰しても、すぐに元通り。 ブドウ農家の深谷一郎さんは、この稼ぎっ葉を摘心でつくりだしている。新梢の先端(生長点)をピンで潰すことで、養分のムダ使いを抑え、葉を「未熟な不要家族」から「成熟した大人」へと変化させる。苗木を植えたあと何度も摘心すれば、樹が充実しながら大きくなり、2年目にしてたくさん収穫できる。成木でも早い時期からの摘心で、ピンと立った稼ぎっ葉を立体的に配置。そこで大量生産される養分が房のほうへどっと流れ込み、果粒が大きく膨らみ、糖度も上がる。 茶農家の斉藤勝弥さんは、夏に萌芽したもの(翌春に刈る一番茶の親葉)を稼ぎっ葉と見なし、重要視している。稼ぎっ葉が秋から冬にかけて働くと、光合成産物が枝葉や根に蓄積され、糖度が高まり、寒さに強くなる。そして、春には栄養価の高い新芽が出てくる。 斉藤さんの無農薬茶は二せん目以降も薄くならずに、味わい深いのが特徴だ。 関連記事(会員の方は閲覧できます)ルーラル電子図書館を検索同一ジャンルの用語 「果樹・特産」 |