月刊 現代農業 > 「現代農業」用語集 > 土と肥料_化学肥料・ミネラル

海水(かいすい)

作物が海水に浸かれば塩害を起こすが、海水を薄めて葉面散布したり、少量の海水を発酵促進剤として利用すれば、海のミネラル効果で生育を活性化するのに役立つ。

台風でも海岸のネギが塩害に強かったことをヒントに一〇倍希釈の海水をかけて育てている千葉・JA山武市のネギはしなやかで太くなり、鉄分やカロテンが多く、味がいい。他にもミカンやトマト、あらゆる野菜に海水散布で味や収量がアップした報告が全国で次々登場している。

葉面散布の場合、作物の種類によって海水に強い・弱いがあるので、濃度を調節することが必要。生育ステージによっても濃度を変えたほうがいい。一般的には、生育が旺盛な時期は薄めの濃度で、収穫時期が近づくほど濃度を上げてという使い方がいいようだ。

また海水は、水田のトロトロ層の形成を促進する効果もある。冬期湛水をする際に、米ヌカ散布後に海水を流し込む農家もいる。

東京農業大学客員教授の渡辺和彦さんによると、海水の多種多様な微量ミネラルの効果もあるが、主成分・塩化ナトリウムの塩素に光合成を活発にする作用があるとのこと。さらに防除効果も注目で、ナトリウムとホウ素の葉面散布で作物の抵抗性が誘導されるという海外の研究がたくさんあるそうだ。

なお日本では、海水の農業利用は江戸時代から行なわれてきた。高知県(続物紛)や愛知県・静岡県(百姓伝記)などの農書に記述がある。


関連記事(会員の方は閲覧できます)

ルーラル電子図書館を検索

電子図書館:海水

同一ジャンルの用語 「土と肥料_化学肥料・ミネラル