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マイペース酪農(まいぺーすらくのう)

放牧を基本とし、化学肥料や濃厚飼料などの外部資源の投入を最小限に抑え、土、草、牛の関係・循環を良好に整えることを重視する酪農。北海道中標津町の酪農家・三友盛行さんが提唱し、北海道東部を中心に実践する人が増えている。単に自分(人間)のペースでのんびり酪農をするという意味ではない。規模拡大、濃厚飼料多給による高泌乳路線への反省に基づく、永続的な酪農を追求する動きである。

一頭当たりの年間平均乳量は五〇〇〇〜六〇〇〇kgと少ないが、飼料費、肥料費、減価償却費等の農業経営費がきわめて低く、牛も平均五産と長生きするため、所得率が高い。労働時間も一日六時間程度と少なく、小さくてもゆとりのある経営を実現している。

三友さんは、酪農にはその地域の風土に合った適正規模があると考える。北海道根釧地域の場合、牛一頭につき草地一haがもっともバランスのとれた関係だとしている。これより牛が増えすぎると、粗飼料が足りなくなって濃厚飼料依存型の酪農に陥り、飼料費がかさむうえに牛が病気になりやすい。一戸当たりの規模も経産牛四〇〜五〇頭、牧草地四〇〜五〇haが限度とした。これを超えると労働過剰で人が倒れ、牛の飼養管理がおろそかになる。糞尿処理施設等への投資も必要となり、それらの経営的ロスが規模拡大による利益を相殺する。


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