No.287 化学成分による農産物の有機起源判定の可能性
●背景 有機の農産物や食品の偽物が出回ってくると,消費者はその真偽を分析によって判定できないかとの希望をしばしば抱く。できあがった農産物や食品を,後から分析で有機か慣行かを判定することは極めて難しい。このため,有機農業で…
●背景 有機の農産物や食品の偽物が出回ってくると,消費者はその真偽を分析によって判定できないかとの希望をしばしば抱く。できあがった農産物や食品を,後から分析で有機か慣行かを判定することは極めて難しい。このため,有機農業で…
●OECD事務局による加盟国の有機農業基準に関する調査 OECD(経済協力開発機構)事務局は加盟34か国に対して,その有機農業基準に関するアンケート調査を実施し(回答期限は2014年2月24日),ポルトガルを除く33か国…
●有機農産物にも農薬残留物が存在する 有機農業では基本的に化学合成農薬を使用しないので,有機農産物は農薬残留物(ここでは残留している農薬そのもの(残留農薬)とその代謝産物を農薬残留物と呼ぶことにする)によって汚染されてい…
●アメリカにおける除草剤抵抗性ダイズとトウモロコシの普及と除草剤使用の状況 アメリカから始まって,世界的に除草剤抵抗性遺伝子やBt毒素生成遺伝子を組み込んだトウモロコシ,ダイズ,ワタなどの遺伝子組換え作物の栽培が拡大して…
●経緯 これまでにも,マルハナバチやミツバチがネオニコチノイド殺虫剤によって大量死していることを紹介してきた(「No.274 授粉性ハチの種絶滅に農薬よりも農業のあり方が大きく影響」,「No.269 ネオニコチノイド殺虫…
有機栽培の作物では,慣行栽培のものとは異なった養分吸収や物質生産が行なわれていて,慣行栽培で得られた知識が当てはまらないかのような,科学的には理解できない無謀なことがいわれることも少なくない。しかし,有機と慣行栽培の作物…
●ロンドン大学のダンゴアらのまとめ ロンドン大学のダンゴア(Alan Dangour)らは,有機と慣行の食品の栄養品質や健康効果に差があるのか否かについて,イングランドの食品基準庁(FSA)から文献調査を依頼された。そこ…
●経緯 EUの執行機関である欧州委員会は,「有機農業規則」の改正案を2014年3月24日に公表した(環境保全型農業レポート「No.249 EUが有機農業規則の全面改正案を提示」参照)。しかし,この改正案が欧州議会の「農業…
●家畜ふん尿や下水汚泥のリンの利用率はどの程度か リンは土壌に収着(吸着・固定)されやすいため,作物が吸収する量の何倍もの量を肥料として施用している。その一方で,リン肥料価格は石油価格に連動して高騰しやすい。このため,農…
●背景 工業国では,農業の化学化を軸に食料生産が飛躍的向上し,輸入食料とあわせて,国民の食料摂取量が急激に高まった。特に,飽和脂肪と糖類を添加したエネルギー量の高い食事パターンと運動不足などのライフスタイルによって,肥満…