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高温障害(こうおんしょうがい)

登熟期間中の高温の影響で、登熟歩合が低下したり、白未熟粒が発生したりすること。とくに出穂後二〇日間の平均気温が二七度を上回るような年には、イネのデンプン生産能力が登熟に追いつかず、高温障害が発生しやすいことが知られている。記録的な猛暑となった二〇一〇年には白未熟粒が多発し、全国の一等米比率が六四・四%と低迷して大きな問題となった。

高温障害を防ぐには、遅植えなどで登熟期をずらし、高温を回避するという方法もあるが、一番肝心なのは、猛暑でもバテない(デンプン生産能力の落ちない)イネつくりであろう。

一般に、早期茎数確保型の稲作では大量の無効茎が出るうえ、幼穂形成期頃にはすでに受光態勢が悪くなってしまい、デンプンも貯まりにくい。ところが、暑さに負けずに一等米をとり続けている農家はたいがい「中期茎数確保型」。元肥を控えめにして生育中期の肥効を高め、必要な茎数を幼穂形成期までにゆっくり確保するやり方なので、無駄になる茎が少なく、受光態勢もいい。出穂期には茎にたっぷりデンプンを蓄えた状態。根も元気なので出穂後のデンプン生産能力も落ちにくく、登熟力が高い。たとえば気温の上昇とともに生育中期に出てくる肥効を活かす堆肥稲作などは、この中期茎数確保型になりやすく、高温障害に強いことが知られている。

また、穂肥実肥を積極的にやったり、登熟期に効く緩効性肥料の割合を多くした施肥設計で後半にイネをバテさせず、高温障害対策に成果をあげている例もある。猛暑時に根の活力を落とさないためには、かけ流し、夜間かん水、飽水管理など水管理も工夫したい。さらに最近は「にこまる」など高温耐性品種の導入も着々と進んでいる。


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