環境負荷をできるだけ少なくして生産した花に,ロゴマークをつけて販売する国際認証制度であるMPSを,環境保全型農業レポート(No.47.花き生産における国際環境認証プログラム:MPS)に紹介した。太田市場花き部は,2006年4月からケニアから輸入したMPSのAランクの表示をしたバラの日本国内での販売を開始した。その一方で,2006年9月からMPS認証を受けた花を国内で生産する準備をすすめていた。
日本におけるMPSの中心機関は,国内での花の消費拡大を目的にした非営利団体である,日本フローラルマーケティング協会(JFMA) である。JFMAは,日本におけるMPSの実務を担当するコーディネーターとして「MPSフローラルマーケティング株式会社」を設立した。
JFMAはMPS参加希望生産者(3月末現在で全国の切花・鉢花の生産者約30名)に対して,2007年1月1日から,花生産時における,(1)全農薬の使用量,(2)全肥料の使用量,(3)エネルギー・燃料等の使用量,(4)水の使用状況,(5)廃棄物の分別と処理の状況のデータを記録するように呼びかけていた。生産者はデータを4週間ごとに提出するが,1月末から2月初めに1回目のデータを提出した。3回継続して提出すると,MPSのロゴマークを付けて販売できるようになる。3回目のデータ提出が3月末〜4月初めに提出されて,ロゴマークを付けることが可能になった。ただし,環境負荷削減程度を表すA,B,Cの評価は,1年間(13期間)継続して提出したデータに基づいて行なわれるので,まだA,B,Cの評価はなされていない。
2007年3月26日以降,MPS参加生産者は生産物にMPS参加者ロゴマークを添付して販売することが可能となり,5月中旬からテストマーケティングが予定されている。そして,MPS参加生産者の情報交換や勉強会を目的とする「MPS参加者ネットワーク協議会」も2007年4月17日に正式に発足した。