No.64 亜鉛の排水基準が改正

 環境保全型農業レポート「No.43 亜鉛の基準に関する動き」に紹介したように,水生生物の保全の観点から,1日当たりの平均的な排出水の量が 50 m3以上の特定事業場については,亜鉛の排水基準を現行の5 mg/Lを2 mg/Lに引き下げる案が,環境省によってパブリックコメントで意見公募されていた。この結果を受けて,原案どおりに,「排水基準を定める省令等の一部を改正する環境省令」が改正され,2006年12月11日から施行された。ただし,金属鉱業,無機顔料製造業,無機化学工業製品製造業など指定された10業種については,施行後5年間は現行基準に据え置く猶予措置が認められている。

 この亜鉛排出規制は農業関係を対象にしていないが,農業でも家畜飼料に添加した亜鉛を含んだ家畜ふん堆肥を製造したり,高濃度の亜鉛を含む都市汚泥堆肥を施用したりしている。農業サイドも,亜鉛の排出や投入を削減する動きを始めるべきであろう。