ポットを付けたまま野菜の苗を定植する方法。とくにトマト農家のあいだで広まっている。育苗ポットの底には事前にキリで穴をあけたり、ハサミで切り込みを入れておく。定植後に根がポット…

　米ヌカ、油粕、魚粕などの有機質肥料を発酵させてつくる肥料。有機物を分解させることで初期のチッソが効きやすくなる。かつて、油粕や魚粕など、チッソ成分が比較的多い材料が中心だった…

　完熟堆肥とは、素材の有機物がよく分解・発酵した堆肥のこと。未熟有機物を施用すると、土の中で急激に増殖する微生物がチッソ分を奪って作物にチッソ飢餓を招いたり、根傷みする物質を出…

　南米・アマゾン川流域の住居跡で見つかる「黒い土」では、不思議と作物や樹木がよく育つ。その黒い土に炭が含まれていることがわかったのは近年のことだ。炭は、日本の農家にとって木酢液…

　木酢液とほとんど同様だが、木炭ではなく、竹炭をやくときに出る煙が煙突で冷えて得られる液体。全体の80～90％が水分、おもな成分は酢酸・プロピオン酸・蟻酸などの有機酸類で、その…

　モミガラくん炭をやくときに出る煙を冷やして採れた液体。木酢液・竹酢液同様、主成分は酢酸で、pH３・５～４・０の強酸性。 　作物や土に散布すると、酢防除効果で作物の代謝が活性化…

　カニの殻。粉砕して肥料にする。チッソやリン酸とともに、カルシウム、マグネシウムほかの海のミネラルも豊富だが、さらに特徴的なのはキチン質を豊富に含むこと。 　カニガラはキチン質…

　土や根に酸素を供給することを目的にした資材（酸素供給剤）。土の中に酸素が少ないと根は呼吸ができず、十分な養水分吸収ができなくなる。養分の吸収が硝酸態チッソに偏り、チッソ以外の…

　土の塩基置換容量（ＣＥＣ）のうちの何％が塩基で占められているかを示す数値。陽イオン飽和度ともいう。理想とされているのは「腹八分目」の飽和度80％、ただし茶は40％ぐらいがいい…

「酸化」とは酸素と結びつくか水素を奪われることで、「還元」とはその逆の現象である。 　たとえばチッソ肥料の硫安（チッソはアンモニアNH4）を施すと、アンモニアは、土の中でNH4…

『現代農業』では、「太陽熱消毒」とは呼ばず「太陽熱処理」と呼ぶことが多い。単なる「消毒」ではなく、「土をよくする技術でもある」という意味も込めてのことだ。臭化メチル全廃や脱土壌…

　大量の有機物と水で畑を還元状態にして土壌病害を防除する方法。北海道の道南農試がネギの根腐萎ちょう病（フザリウム菌）対策として開発した方法から始まった。土に米ヌカやフスマなど、…

　カラシナのように辛味成分を持つアブラナ科作物をすき込んで土壌病害を抑制する新しい防除法。バイオフューミゲーション（生物的くん蒸）と呼ばれる。辛味成分のグルコシノレートが土中で…

　同じ作物を毎年同じ畑につくる連作に対し、異なる作物を順につくること。輪作することで土の養分の偏りを防ぐことができ、土壌病害虫の防除効果も期待できる。 　輪作による病害虫防除に…

「共栄作物」ともいう。自然のなかで植物は、お互いに影響し合って生きている。私たち人間の社会と同じように、作物の世界にも好き嫌いがあり、混植・混作などはこれを利用したもの。組み合…