コーデックス委員会「食品添加物・汚染物質部会」が0.4 mg/kg案を承認
「環境保全型農業レポート」No.10に紹介したように,コーデックス委員会の専門家会議が,精米のカドミウム含量の基準値案を0.4 mg/kgとした。この案が,2005年4月25〜29日にオランダのハーグで開催された,コーデックス委員会の第37回食品添加物・汚染物質部会に諮られた。その結果,専門家会議の案が部会でも国際基準案として予備採択され,2005年7月のコーデックス委員会総会に諮られることになった(農林水産省プレスリリースより)。
4月の部会の報告書(p.25)によると,日本は,専門家会議の結論を踏まえて,部会でも引き続いて0.4 mg/kg精米を基準案とすることを主張した。これ対して,EUは,カドミウム濃度の高い地域で,当該地域産の米に嗜好の強い消費者には0.4 mg/kg精米では健康に問題を起こす可能性が高いとの理由から,これに反対して,元々の0.2 mg/kg精米の案に戻すように主張した。しかし,短い世代の子供に悪影響が出るリスクがあるからという主張は,専門家会議が長期的な暴露を問題にした考え方に反するとの意見が出された。また,0.4 mg/kg精米の影響を評価して,問題のないことを確認にした複数の国を含め,多くの国が0.4 mg/kg精米を案とすることに賛成した。これを踏まえて,部会は0.4 mg/kg精米を案とすることに決定した。ただし,EU,エジプト,ノルウェーとシンガポールは保留した。
今後,0.4 mg/kg精米の案に対する意見を各国に照会し,その結果を踏まえて,7月の総会で審議することになる。