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ひねり雨どい噴口(ひねりあまどいふんこう)

 動散に付ける噴口で、雨どいにひねりを加えたもの。市販の噴口で肥料をまくと、飛距離はせいぜい一五m程度だが、これを使うと二〇m以上届く。短辺が四〇mあるような大きな田んぼでも、アゼを歩くだけで肥料散布が可能となる。

 作り方は簡単。雨どいを長さ一・八mに切断し、一方の端から四〇〜六〇cmの部分をガスコンロなどで熱する。軟らかくなったら、ほんの一cmほど手でひねって、管の中にらせん状の凸凹を作る。たったそれだけの加工だが、ひねりのおかげで、中を通る肥料の粒が、気流の強い中心部へ押し上げられ、より遠く、より広く飛ぶようになる。

 考案者である滋賀県の森野栄太朗さんが、二〇一四年八月号で紹介したところ、高齢農家を中心に大きな反響を呼んだ。岡山県の大森尚孝さんは、乾田直播きの播種や肥料散布にこの噴口を使うようになったが、夏の暑い時期に泥田に入ることがなくなり、追肥にかかる負担が軽減された。ていねいな追肥で一〇俵以上の収量を安定確保する。

 ひねり雨どい噴口と乾田直播きを組み合わせれば、稲作にかかる労力を大幅に削減するとともに、その醍醐味(イネの顔色を見て追肥し、増収を狙う)を存分に味わうことも可能だ。基盤整備後の大きな田んぼで、高齢農家が今後五年、一〇年と元気に稲作を続ける道を開いた道具ともいえよう。


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