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プール育苗・露地プール育苗(ぷーるいくびょう・ろじぷーるいくびょう)

木枠とハウスの古ビニールなどで水を溜められるプールをつくり、その中で育苗する水の力を生かした小力技術。おおかたの苗が一・五葉になったら入水し、以降、水を溜めっぱなしにする。水の保温力があるので、ハウスで育苗する場合は入水以降はサイドを開けっ放しでいい。毎日のかん水・換気作業から解放されて育苗がうんとラクになるうえ、低温育苗でいい苗ができ、根張りも抜群。一週間くらい田植えが遅れても、苗が老化しにくい。さらに、育苗箱の上まで水位を上げれば好気性の病原菌が生きられず、苗の病気が出にくい。無農薬育苗する人には必須の技術となっている。

注意点は、根張りがよすぎて苗箱の下で根が絡む場合もあること。根切りが大変なので、底穴が小さくて根の出にくい苗箱を使うか根切りシートを入れる。また、水を吸った苗箱を運ぶのは重いので、田植え日よりちょっと早めに落水しておくのもコツ。なお、育苗床の均平をとるのが大変だといわれるが、高低差が大きい場合はプールの中に仕切りを入れるとよい。四〇mのプールの端と端で高低差が六cmあるとしても、仕切りを二カ所に入れて三ブロックに区切れば、一つのブロックの中での高低差は二cmに減る。

近年では、ハウスを使わない露地プール育苗に取り組む農家も増えている。さらに低コスト、さらに低温育苗となり、丈夫に育つ。秋田県の古谷義信さんは、四月下旬の播種で、催芽器や育苗器も使わない無加温平置き露地プール育苗に成功した。


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