月刊 現代農業 > 「現代農業」用語集 > 防除

病害抵抗性誘導(びょうがいていこうせいゆうどう)

植物は、病原菌の攻撃から自分の体を守るしくみを備えている。しかし、その防壁のようなしくみをかいくぐる菌がいるために作物に病気が出るのだが、病原菌の侵入前にあらかじめ体内に「指令」を出して防壁を強化しておく(抵抗性を増す)方法が「病害抵抗性誘導」である。

病原菌に侵された植物が抵抗性を発揮することは、病斑がついた葉の後に出た新しい葉には同じ病気がつきにくかったり、他の病気も抑制されたりする現象から発見された。このしくみを応用して、植物が病原菌に侵入されたと錯覚させる物質を使って病害抵抗性を高めておくことができるのである。

たとえば、イネのイモチ病に使われるオリゼメートは、イモチ病菌を直接殺菌するわけではなく、イネの病害抵抗性を誘導する成分を利用した農薬である。農薬以外でも、キチン(カニ殻などの成分、キトサンの原料)は、病原菌の主要構成成分でもあるため、植物が病原体と認識して抵抗性を誘導することがわかっている。最近の研究では、微生物発酵液にも同様の効果があることがわかってきた。天恵緑汁えひめAIなどのパワー菌液で病気が抑えられたという事例があるのも、病害抵抗性誘導の効果なのかもしれない。


関連記事(会員の方は閲覧できます)

ルーラル電子図書館を検索

電子図書館:病害抵抗性誘導

同一ジャンルの用語 「防除