日本の家庭料理:四季の行事食 59ページ
おからこは、上伊那のおもに中北部地域に伝わる十五夜のお供えで、浸水させたもち米とうるち米をすってまとめただけの簡単な即席もちです。一説に、十五夜の頃は収穫で忙しく、もちをついている暇がなかったことから生まれた風習といわれています。翌日、汁に入れて食べますが、ほかでは味わえない独特の歯触り、食感で……
日本の家庭料理:四季の行事食 63ページ
県西部の山内町(現武雄市)で、おくんち(秋祭り)の際のもてなし料理としてつくられてきた煮物です。おくんちには刺身やにいもじ(里芋の一種、水芋のずいきの酢の物)、がめ煮(すっぽんと野菜の煮物)、ご飯(赤飯・栗おこわ・栗赤飯)、おはぎ、蒸しまんじゅうや地酒を用意します。これらの料理をつくるときに出た……
日本の家庭料理:四季の行事食 64ページ
日向《ひゅうが》灘に面し県中央部に位置する川南町《かわみなみちょう》は米、さつまいも、果樹、茶などの栽培とともに、畜産業がさかんです。だぎねん(駄祈念)は、地区ごとに豊作を感謝し、家内安全・牛馬安全・五穀豊穣を水神様に祈る行事です。 孫谷《まごたに》地区では毎年旧暦9月15日に行なわれます。祭り……
日本の家庭料理:四季の行事食 66ページ
県南部の人吉・球磨《くま》では、地域ごとに親しまれている神社があり、多良木町の天満宮なら「天神さん」、湯前町の里宮神社なら「里宮さん」と呼ばれます。各神社の秋祭りのごちそうに決まって出されるのがつぼん汁です。里芋やにんじん、ごぼう、鶏肉や焼き豆腐などを小さく切って煮た具だくさんの汁もので、食べる……
日本の家庭料理:四季の行事食 67ページ
えびす講や節分などにつくる祝いの汁で、大根、にんじん、ごぼう、里芋などを大きく切り、昆布だしで煮こんで汁とともにいただきます。じっくりと煮た根菜のおいしさが溶けこんだ濁りのない汁は、寒い季節のごちそうです。 えびす講の日には「今日はおざく煮よ」と祝い膳がつくられます。新米を炊き、ざく煮、尾頭つき……
日本の家庭料理:四季の行事食 77ページ
にざいは黒部市など県東部の下新川《しもにいかわ》地方で報恩講や収穫祭などでつくられる、小豆や野菜を入れた具だくさんの煮物です。いとこ煮とも呼ばれますが、県内の他の地域のいとこ煮よりも、材料の切り方がやや大きめです。 「にざい」は「煮た菜」のことだといわれます。「いとこ煮」も、いとこのような間柄の……
日本の家庭料理:四季の行事食 81ページ
松阪市嬉野は雲出《くもず》川の支流である中村川に沿った東西に細長い地域です。その西側に位置する合ヶ野《ごがの》町地区では、12月7日に山の恵みに感謝し祠《ほこら》を建ててお参りする「山の神」が行なわれ、その際、集まった人たちにガタガタおろしがふるまわれました。大根とにんじんを鬼おろし器でおろし、……
日本の家庭料理:四季の行事食 85ページ
秋口から春先にかけて、正月や祭り、法事などの人寄せがあるときにつくられる具だくさんの汁ものです。地域によってはのっぺ汁とも呼ばれます。味つけは醤油とみりんだけとシンプルで、あっさりしているのでたくさん食べられます。ごちそうの食べすぎで胃が疲れた正月などに、野菜がたっぷり入ったのっぺが喜ばれます。……
日本の家庭料理:四季の行事食 86ページ
奈良市は奈良時代に平城宮が置かれた古都で、シルクロードの終着点として天平文化が花開いた地です。盆地に位置するため、夏と冬で気温差が激しく、夏は暑く冬は寒い気候です。 のっぺいは、12月7日に奈良の春日大社のおん祭りに食べられる、奈良市の代表的な行事食です。のっぺいと呼ばれる10㎝角の立方体の絹揚……
日本の家庭料理:四季の行事食 88ページ
煮しめは県全域でつくられる行事食で、大晦日の祝い膳をはじめ節句、冠婚葬祭などに欠かせません。用いる食材が地域の特徴を表しており、秋田との県境の山間部ではぜんまいの一本煮、凍《し》み大根、身欠きにしんなどを使うのに対して、三陸沿岸の大船渡では干し魚が入ります。うま味が強いのでだし汁を使わなくても風……
日本の家庭料理:四季の行事食 90ページ
祝儀にも不祝儀にもつくる新島《にいじま》のハレの煮しめで、デーコビラとも呼ばれます。デーコは大根のことです。一説では平皿に盛りつけたので「ひら」となったそうで、小さめの皿いっぱいに盛りつけ、もてなしの気持ちを表します。 そぎ(大根を細長くそぎ、冬の西風で干した干し大根)、ごぼう、にんじん、昆布、……
日本の家庭料理:四季の行事食 92ページ
鯛の唐蒸しは婚礼に際して供される金沢の郷土料理です。かつては嫁入り道具とともに花嫁が持参する雌雄2匹の鯛を、婿側が調理して招待客にふるまう習わしがありました。背開きにした鯛に卯の花(おから)をいっぱい詰めて、大皿に腹合わせに並べます。切腹を連想させる腹開きにはしません。「にらみ鯛」「鶴亀鯛」とも……
日本の家庭料理:四季の行事食 96ページ
佐渡のどの家庭でも食べられている伝統料理の代表が佐渡煮しめです。コトコト煮こんで味がよくしみこみ、人が集まるお盆や祭りや冠婚葬祭に欠かせません。ご恩がつくように大根、昆布、にんじん、こんにゃくなど「ん」のつく野菜を煮て、だしをたっぷりと吸った車麩を入れることが特徴です。少量ではあまりつくらず、大……
日本の家庭料理:四季の行事食 97ページ
非時《ひじ》(会葬者に出す食事、おしのぎ)の際、近所の人たちが集まり、大量の料理を一度につくり、来客に出すという風習を象徴する料理です。手に入りにくくなった氷こんにゃく以外、特別な材料は使いません。すべての食材を個々にゆで、さらに煮合わせ、合わせ酢で和えるため、衛生的で大量調理に適し、日持ちがし……
日本の家庭料理:四季の行事食 99ページ
「さんとう」は県西部の石見《いわみ》地域の方言で、なますや酢の物をさします。東部の出雲地域とは方言が異なるため、同じ県内でも、さんとうが何のことか知らない人も多いようですが、石見では古くからこう呼び親しまれています。 祭りや正月には、にんじんと大根の紅白なますにさばを加えます。西部の日本海側はさ……
日本の家庭料理:四季の行事食 100ページ
山口との県境にある大竹市で、冠婚葬祭や日常の食事として昔から親しまれてきた混ぜご飯です。「もぶる」は「混ぜる」の方言で、白めしに旬の野菜や魚介を混ぜこみます。まめまめしく元気にと入れる黒豆の甘煮の甘味やなめらかな舌ざわりが混ぜご飯にマッチし、絶妙なおいしさです。 家建て(建前)や結婚式などお祝い……
日本の家庭料理:四季の行事食 101ページ
県北の北広島町では、葬儀や法事でふるまわれる食事のことを「おとき」といいます。おときはご飯、汁、おひら、おつぼ、白和えや酢の物などで構成されています。お膳の中で少し深めのつぼ椀に盛る料理がおつぼで、小豆と小さく切った根菜、こんにゃくなどの煮物です。 広島は安芸門徒《あきもんと》と呼ばれる浄土真宗……
日本の家庭料理:四季の行事食 102ページ
県東部の岩国はれんこんが特産で、ハレの日にはれんこんを飾った「岩国ずし(殿様ずし、角ずし)」と「はすの三杯(酢の物)」とともに、れんこんが入った煮物「大平」が必ず出されるといわれます。大平はたくさんの野菜を大きな平釜でごった煮にした汁けの多い薄味の煮物です。汁ごといただき、吸いもの代わりにもなる……
日本の家庭料理:四季の行事食 110ページ
土佐の宴会(おきゃく)料理は、山、海、野、川の幸を39㎝くらいの大皿に盛り合わせた皿鉢料理です。明治中頃まで全国各地に神様に感謝して食べる「盛り鉢料理」があり、土佐では皿鉢料理として発達しました。皿鉢料理の基本は、「生《なま》(刺身)」と「組み物」です。刺身は、まぐろや旬の魚を平づくりにします。……
日本の家庭料理:四季の行事食 114ページ
県北西部の日田市大山町でつくられているごちそうです。以前は庭先で鶏を飼っていたので、正月やお盆、秋のおくんちのほか、親戚や近所の人が集まるときは1羽をつぶし、がめ煮をつくりました。今は肉屋で買いますが、昔と同じように親鳥の骨つき肉を使います。親鳥の肉はかたいですが、骨からだしがよく出て、長時間煮……
出典:岩手の食事>漬物――年中切らさないで 174ページ
執筆者:及川桂子 千葉 寛
執筆者所属:
地域:紫波郡紫波町
地域区分:県央の食
内容区分:伝承される味覚 ページ数(ポイント数):2 専門館:食・くらし/こども
出典:福島の食事>野菜 156ページ
執筆者:柏村サタ子
執筆者所属:
地域:福島市
地域区分:福島北部盆地の食
内容区分:季節素材の利用法 ページ数(ポイント数):1 専門館:食・くらし/こども
出典:栃木の食事>野菜の利用法 51ページ
執筆者:高橋久美子 千葉 寛
執筆者所属:
地域:河内郡上河内村
地域区分:鬼怒川流域(上河内)の食
内容区分:季節素材の利用法 ページ数(ポイント数):1 専門館:食・くらし/こども
出典:石川の食事>野菜、豆腐の料理 41ページ
執筆者:守田良子,加納弘子 千葉 寛
執筆者所属:
地域:金沢市
地域区分:金沢商家の食
内容区分:金沢商家のふだんの食事 ページ数(ポイント数):1 専門館:食・くらし/こども
出典:静岡の食事>おすし 43ページ
執筆者:中田鈴子 千葉 寛
執筆者所属:
地域:御殿場市
地域区分:富士山麓の食
内容区分:基本食の加工と料理 ページ数(ポイント数):1 専門館:食・くらし/こども
出典:静岡の食事>にんじんとごぼう 166ページ
執筆者:大石貞男
執筆者所属:
地域:志太郡岡部町
地域区分:中山間(岡部)の食
内容区分:季節素材の利用法 ページ数(ポイント数):1 専門館:食・くらし/こども
出典:鹿児島の食事>そま 216ページ
執筆者:鶴田イツ子 千葉 寛
執筆者所属:
地域:鹿屋市
地域区分:大隅シラス台地の食
内容区分:基本食の加工と料理 ページ数(ポイント数):1 専門館:食・くらし/こども
上位サブタイトル:野菜別加工法
連載タイトル:
特集タイトル:
出典:こだわり食品(2)野菜 129ページ
執筆者:岩城由子
執筆者所属:
地域:
作目: ページ数(ポイント数):3 専門館:こども
上位サブタイトル:カラー口絵
連載タイトル:
特集タイトル:
出典:食農教育 2009年03月号 9ページ
執筆者:櫻間輝美
執筆者所属:管理栄養士
地域:
作目: ページ数(ポイント数):1 専門館:こども
現代農業:1986年03月号 272ページ~275ページ
上位タイトル:野菜 過剰時代に稼ぐ農家はここがちがう
執筆者:丸岡隆男 埼玉県熊谷農業改良普及所
地域:
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