県東北部の神石高原町《じんせきこうげんちょう》でつくられてきた、そばがら(そばの茎)を焼いた灰の灰汁《あく》で固めるこんにゃくです。神石高原町では冠婚葬祭などの行事があると、もちをつき、豆腐、こんにゃくをつくりました。昔は豆腐もこんにゃくもごちそうで、近所の人が亡くなったときに組内の人がするのは……
らっきょうよりも「らっきょ」と呼ぶのが福井流です。福井県は戦前には日本一の生産量を誇りました。現在でも全国で6位(2016年)の収穫量があります。とくに三国の三陸浜の砂丘地帯で多く生産される“花らっきょ”は有名で、小粒で純白、肉質がきめ細かで品質が良いといわれています。栽培方法が独特で、通常は8……
隠岐《おき》地域は1年を通していか漁がさかんで、さまざまな種類のいかを楽しめます。とくに島民が好むのは、初夏から秋にかけて旬を迎える白いか(ケンサキイカ)です。白いかは甘味が強く、身が厚くてもっちりとやわらかな食感が特徴で、他のいかとは一線を画す味わいが楽しめます。冬に旬を迎えるのはヤリイカとス……
いもがらは、八つ頭の葉柄(ずいき)です。霜の降りる前に収穫し、生では皮をむいてゆでて、ごま酢和えなどで赤茶色に発色した和え物をつくります。しかし生で食べられる時期は限られるため、皮をむいたら干して乾燥させ、保存しておきました。冬など野菜類が少なく生鮮野菜の入手が困難なときに戻して炒め煮にしました……
夏のれんこんを使った歯触りのよいかば焼きです。れんこんの旬は晩秋から冬ですが、早いものは8月のお盆の頃から掘り始めます。この時期のれんこんは「新れんこん」として出回り、アクが少なく、みずみずしさが特徴です。若くてかたいのですりおろして使われます。 平成28年のデータによると、茨城県は全国の生産量……
山深い白山麓《はくさんろく》地域では、田んぼがなかったため米は貴重でした。山地では焼畑を行ない、ひえ、あわ、かまし(しこくびえ)、そばなどの雑穀類、大豆、小豆などの豆類、いも類などを栽培していました。米を節約するために、麦飯やひえやあわを入れたご飯を食べたり、豆腐をつくった後に残るおからと野菜で……
めんつゆのだしには、昆布、かつお節などの節類、煮干しが使われることが多いですが、このそうめんのつゆには、昆布、煮干しに加えて、植物性食品の大豆や干し椎茸がだしのベースに使われています。昆布のグルタミン酸、煮干しのイノシン酸、干し椎茸のグアニル酸に、大豆のほのかな甘味とうま味がまろやかさを加え、滋……