博多湾の北部にある志賀島《しかのしま》は四季を通して海の幸に恵まれており、4月の一番潮(大潮)から8月の一番潮には男性の海士《あま》が素潜りでさざえ漁を行ないます。新鮮なさざえの炊きこみご飯はコリコリとした食感と磯の風味、貝のうま味にあふれ、祝いごとや地域の行事のときにつくられてきました。 地元……
尾瀬・日光国立公園の2000m級の山々に囲まれる片品村《かたしなむら》でつくられてきた祝いの料理です。この土地で育てられてきた在来種の大白《おおしろ》大豆と良質な湧き水でつくられる豆腐は、普通の大豆でつくった豆腐に比べて甘味とコクがあります。この豆腐を巻きすで巻いて煮上げたしめ豆腐はおいしいうえ……
漁業のさかんな島原地方の料理で、乾燥させたイギリス草という海藻を使うので、いぎりすと呼ばれます。年中食べますが、おもに冠婚葬祭の際の行事食です。イギリス草とは紅藻類のいぎすのことですが、近年はあまりとれなくなり、それに伴い、いぎりすも以前より食べられなくなりました。愛媛県や広島県など瀬戸内海沿岸……