「周年親子放牧」で遊休地活用、「飼料用米」で水田フル活用

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農業技術大系「デジタル畜産編」2022年版を収録しました。「畜産編」は2020年版(追録第39号)で紙による追録が終了しましたが、2022年版から「デジタル畜産編」へと刷新し、今まで以上にお役立ていただける畜産情報をお届けします。
さて、わが国での牛の放牧は一般的に牧草が繁茂する春~秋の半年間。そして肉牛の場合、子牛の離乳後から増し飼い開始までの母牛のみ放牧しています。一方、今回の周年親子放牧では、遊休地をまとめて草地化し、子牛が生まれてから出荷まで、離乳させずに母牛と一緒に過ごさせ、冬の間も牧草ムギ類などで無畜舎のまま育成します(写真1)。

写真1 肉用牛の周年親子放牧
写真1 肉用牛の周年親子放牧

また、飼料用米は主食用米からの作付転換が比較的容易であることから生産が増加しています。今後さらに政策誘導などによって増産し、農林水産省では令和12 年度の目標を70 万tに設定しています。世界的な物価上昇、為替変動(円安)などから今後、飼料価格の高止まりも予想されており、飼料用米への関心も高まっています(写真2)。

写真2 飼料用米による「桃豚」生産(秋田県・ポークランドグループ)
写真2 飼料用米による「桃豚」生産(秋田県・ポークランドグループ)

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