市販の甘納豆で甘く味をつけ、食紅で着色した赤飯です。甲府市、笛吹《ふえふき》市、甲斐市、南アルプス市や県北部などでつくられていますが、同じ地域でも甘くない赤飯を食べる家もあります。スーパーでも販売されており、和菓子屋では両タイプの赤飯を扱い、客に希望を聞いて提供しています。つくるのは普通の赤飯よ……
県中西部の佐川町《さかわちょう》には、納豆をつくり、塩納豆にして食べる、高知では珍しい習慣があります。冷蔵庫のない時代には、大豆を収穫する11月から3月のお彼岸までの冬場に限った保存食でした。塩納豆の起こりは、土佐藩初代藩主の山内一豊の時代にさかのぼるといわれています。当時、佐川町は山内家の筆頭……