打ち豆は、大豆を吸水させてから蒸し、それを木づちで打ったものです。冬場、雪に閉ざされる湖北地方では、大豆は貴重なたんぱく質源。各家庭で打ち豆をつくり、汁に入れていました。たたいて平たくした豆は、だしが出やすく火が通りやすくなるので、煮る時間や薪の節約にもなりました。大根、里芋、かぶやかぼちゃなど……
こんかいわし(いわしのぬか漬け)を煮てほぐし、酒粕と混ぜたペーストで野菜を煮た鍋です。強い塩けに、ぬか漬けと酒粕の発酵した香りや酸味が一体となって、深い味わいになります。能登半島のつけ根あたりにあった旧志雄《しお》町(現宝達志水《ほうだつしみず》町)周辺でつくられてきた料理で、よそから嫁いできて……
1月7日は、野草の生命力にあやかって一年の無病息災を願い7種の草を食べる七草の日です。県西部の焼き物の町・有田では、朝に七草を入れた味噌汁をつくる風習があります。皮くじらが入って濃厚なだしとコクが加わったおつゆとご飯が出され、なますや刺身を添えることもありました。七草をかゆではなく、おつゆにして……