島根といえば出雲そばが有名ですが、隠岐《おき》地域も冠婚葬祭にはごちそうとしてそばを打ち、そのならわしは今も残っています。江戸時代から植林が行なわれてきた隠岐では、植林のために広葉樹を伐《き》って焼き払うことを「あらあけ」と呼び、焼いた後に杉などを植え、その苗木の間にソバをまきました。 隠岐のそ……
豆腐の中に季節の菜を入れた豆腐で、1丁が大きくみっちりとして食べごたえがあります。菜豆腐が伝わる椎葉村は九州山地の中央に位置し、四方を山で囲まれた土地です。平地がない村では焼畑による農業が主で、1年目がソバ、2年目はヒエかアワ、3年目が小豆、4年目が大豆といった具合に輪作してきました。しかし収穫……
奥羽山脈の山々に囲まれ、冬季は2m以上の積雪になる西和賀では、野菜の長期保存にさまざまな漬物がつくられます。なかでも自慢の品が、大根を丸ごと塩と水だけで漬けこむ一本漬けです。新鮮な風味と歯ざわりはとれたての生大根のようで、少し酸味が出たものも「さわっとしておいしい」といいます。 大根は新鮮なみず……