笹の葉を食器として、また腐敗を防ぐためにも利用した、奥信濃に伝わるすしです。手を汚さずに食べることができ、口直しの紅しょうがが最後になるよう盛りつけるなど、食べる人への配慮もこめられています。戦国武将・上杉謙信に由来し、謙信一行に笹の葉を皿にして、ご飯、山菜のおかずをのせて差し上げたところ大変喜……
県中央部の盛岡市や滝沢市周辺では春になると、うこぎの新芽を摘んで、ほろほろをつくります。さっとゆでて細かく刻んだうこぎに、同じように細かく刻んだ大根の味噌漬けとくるみを合わせ、熱々のご飯にかけて食べます。ほろ苦いうこぎと鬼ぐるみのコクや甘味は相性がよく、味噌漬け大根のコリッとした歯ごたえとしょっ……
夏野菜と大根の味噌漬けを刻んで混ぜた料理で、県北の飯山市や信濃町の夏の日常食です。忙しいときでも簡単につくれて、また暑くて食欲のないときでも温かいご飯や冷たいそうめんにのせるといくらでも食べられます。素材の味を生かし、また旬の食材だけでつくれるシンプルなところに先人たちの知恵が光ります。大根の味……
せんべいといっても、もち米を使った煎餅ではなく、小麦粉でつくる粉ものです。小麦粉やそば粉を水で溶いて焼いたものは、長野県全域でつくられていますが、北信地方ではこれらをせんべい、うすやきと呼びます。にらせんべいは子どものおやつやこびり(農作業の合間に食べる間食)として、春から秋、にらがとれる季節に……