米粉を使ったまんじゅうのようなもので、豪雪地帯である津南《つなん》町や十日町市で主につくられています。これらの地帯は稲作が中心で、麦や粟などの雑穀はほとんどつくらず、基本食はあくまでも米です。しかし棚田や冷水田が多く、苦労の割には収穫が少なく、出荷できない「いるご(くず米)」を粉にして食べました……
型だんごともいい、花や動物などを彫った木型に、赤・桃・緑・黄などの色に染めた生地を詰めてあんを入れ、型抜きして椿の葉にのせて蒸したものです。しんこもち、しんこ、しんこまんじゅう、おこしだんごなどとも呼ばれます。佐渡のひな祭りには甘酒やあられ、かたせ(干鱈)の味噌煮、かやむぐり(コウゾリナ)のごま……
上新粉とかたくり粉をこねただけのだんごですが、ツルンとした歯切れのよさと弾力がくせになる食感です。噛むうちに米そのものの甘味が広がり、湧水で洗った冷たさがさわやかです。黒部の水と自慢の米でつくった夏のおやつです。 名水百選の一つ、「黒部川扇状地湧水群」がある黒部市生地《いくじ》には約750カ所も……
昔は家族が多かったので、たいていの家には大きな鉄鍋がありました。やきつけは、その鉄鍋いっぱいに丸く広げた生地を焼き、四角くもちのような形に切り分けてみんなで食べたものです。もちろん、丸くなった切れ端のところも一緒においしく食べました。農作業の合間のなか間(こぶれ、おやつ)として腹の足しにしたり、……
縄文時代の集落とされる赤野井湾遺跡などが見つかり、数千年前から米がつくられていた県南西の野洲《やす》・守山に伝わるだんごの料理です。だんごが白和えなどの衣にくるまれて、おやつや法事のときの小昼、おかずにもされます。 だんごには米粉(うるち米粉)だけのもの、米粉ともち粉を半々混ぜたもの、もちやいも……
小豆あんと上新粉を水で練って蒸した、徳島県の代表的なお菓子です。シンプルですが、適度な甘味ともっちりした食感で、誰もが好きな味です。以前はひなの節句になると菱もちと一緒にひな壇に並べたり、「遊山箱《ゆさんばこ》」という三段の引き出しのついた弁当箱に詰めて、子どもに持たせたりしました。遊山箱には、……
江戸時代より伝わる伊予松山藩の郷土菓子です。松山城城主の松平定行の父親である定勝が、ひな祭りにつくって家来たちに配り、さらに国が豊かに栄えるよう祝ったのが始まりといわれています。 しょうがと醤油の風味がきいているものの、ほんのり甘く、噛むともっちりした素朴な味わいのもちです。形も味も家ごとに工……
県西部の山内町(現武雄《たけお》市)でつくられてきたものです。田植えどきや祇園祭りに、また子どものおやつにもつくられました。 うるち米ともち米の粉を混ぜた生地であんを包みますが、生地はあまりこねません。ポロポロとした状態で、にぎるとまとまりますが、また崩れてしまう程度にします。この生地を蒸すと、……
米の粉と山芋を使った蒸し菓子で、県内では来客時や冠婚葬祭、桃の節句で使われました。粒子の粗いかるかん粉(並新粉《なみしんこ》)を使うため、生地のきめは粗いのですが、山芋の効果でしっとりもちもちで独特の風味があります。昔は山芋とかるかん粉、砂糖だけでつくりましたが、このレシピでは長芋と卵白を使って……
フチャギは、楕円形や俵形に形成されたもちにゆでた小豆をまぶしたものです。もちといってもついたもちではなく、もち粉に水を加えてつくる、だんごのようなもちです。十五夜(旧暦の8月15日)の供物として仏壇や火の神(火をつかさどる神)に供えます。また、沖縄本島の南西約300㎞に位置する宮古島地方では入学……
瑞浪《みずなみ》市、恵那市、中津川市などの東濃地域では、昔から、ひな祭りを月遅れの4月3日に祝う風習があります。そこで欠かせない「からすみ」はボラの卵ではなく、米粉を蒸した郷土菓子です。甘い米粉の生地に黒砂糖やくるみ、しそ、ゆず、よもぎなどを加えたり、色粉で色づけしたりと、家ごとに特徴のあるから……