かつては暮らしの中でよく竹を利用したので、集落に1軒は竹林をもつ家がありました。今も4月になるといっせいにたけのこが出てくるので、手入れのされていない竹林があれば、声をかけてもらっていきます。豊作の年にはあちこちの知り合いがたけのこをくれます。 新鮮なたけのこは煮物やたけのこご飯にします。食べき……
県南部に位置する南部町は周囲を1000m級の山に囲まれています。森林が面積の約90%を占め、寒暖の差が少ない温暖な気候を生かしてたけのこが栽培されています。この料理はだしをとった煮干しを入れたまま煮るので、風味もよく栄養も豊富で、無駄がありません。煮干しだしの味とたけのこがよく合います。 おいし……
「京のたけのこ」の産地は京都市西部の洛西一帯と、府南部の山城地域が有名です。たけのこ掘りは3月半ばから始まり、4月中旬から5月中旬にかけて最盛期を迎えます。やわらかいたけのこの穂先を木の芽味噌で和えると香りが高く、やさしい若草色をまとった一品となります。姫皮も和え物にし、穂先は吸いものにも使い、……
熊本や大分との県境にある県南西部の八女《やめ》市では、干したけのこの煮物が夏のお盆のごちそうです。春、たけのこの収穫時期は短く、どうしてもとり残して成長してしまうものがあります。たけのこの産地であるこの地では、地上に大きく伸びた竹を伐り、穂先のやわらかいところだけを切りとってゆで、開いて干して、……
あんろくは広げると幅1mほどにもなる大きな布のような海藻で、広い布《め》で「ひろめ」とも呼ばれます。温暖な太平洋側沿岸の限られた地域にしか分布しておらず、県内では南部の牟岐《むぎ》町以南に生息しています。そのため県南部の一部の地域でしか食べません。収穫時期は2月中旬から約2カ月と短く、昔は素潜り……