普通、梅干しはしょっぱいものですが、津軽では塩漬けして干した梅を甘く味つけ、赤じそでくるみ、甕《かめ》などに漬けて味をなじませてから食べます。適度な塩けと甘味、酸味が赤じその風味とよく合い、格別なおいしさです。ご飯と一緒にそのまま食べるだけでなく、刻んだものをご飯に混ぜておにぎりにすることもあり……
梅漬けは県全域で食べられている山梨県の保存食の代表です。その歴史は古く、江戸時代の『和漢三才図会《わかんさんさいずえ》』の「甲斐の国土産」にも小梅が記されており、県内各地に古木が見られます。 昭和30年代にはどこの家でも庭先や屋敷周りに小梅の木が植えられ、青梅で梅漬けを、熟した梅で梅干しをつくり……
県中西部の四万十川《しまんとがわ》上流域の津野山郷(旧東津野村と梼原町)に伝わる保存食です。四国山地の急峻な山々に抱かれたこの地では、自給自足の生活が基本で、豆腐も各家でつくっていました。大豆は貴重だったため、豆腐はいつも食べられるものではなく、正月や神祭《じんさい》(神社のお祭り)、お盆などに……