米が余っている、という。転作にも取り組みたいけど、畑作物に向く田は限られる。ならば「イネで転作」。米粉用米や飼料用米は、主食用米よりも稼げる!そんな農家事例が、『現代農業2021年2月号(品種選び特集号)』には多数掲載されている。品種の個性を存分に活かすことで、米の需要を掘り起こし、収量を安定させる。実践的なアイデアが詰まった最新の2月号。先日電子図書館に収録されたばかりだ。ぜひご一読を!
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米粉でガッチリ稼ぐ
米粉用米では、高アミロース米で麺に向く新品種「ふくのこ」でガッチリ稼いでいる農家が登場。自前で所有する粉砕機を使って米粉に加工し、1kg500円で販売。麺にするとコシが強く、麺と麺がくっつかない。直営のカフェで提供するパスタも好評。反収20万円超えを実現している。「ふくのこ」は紋枯病や縞葉枯病などの病気に強く、無農薬でも栽培できるという。高アミロース米によく見られる長粒種ではないので、従来使ってきた機械で乾燥・モミすりできるのもメリットだ。
・記事タイトル「米粉用のふくのこを栽培 主食用品種より儲かる」
・記事タイトル「米粉の性質をおさらい」
米粉の用途をお客さんにわかりやすく説明するため、
農家がつくった模式図。
アミロース値の高低とそれに適した加工品が一目瞭然!
◆「用語集」の解説もあわせてご覧ください。→ 米粉
飼料米でガッチリ稼ぐ
飼料用米では、10ha以上の大きな面積をこなしつつ多収を実現し、交付金の満額10万5000円をガッチリ確保している農家が登場。そのポイントのひとつが品種の選び方。「オオナリ」や「北陸193号」はメチャクチャとれる。1tどりも夢ではない。数量払いによる交付金を満額受けるのには重要な品種だ。もっとも、多収できる分、ワラがコンバインに詰まるなどで収穫時のトラブルが起きやすい。そこで最近のお気に入り品種は「みなちから」! 短稈でコンバイン負荷が少ないので最大車速で刈り続けられる。収量はやや見劣りするが、それでも満額を十分にねらえる程度にはとれるという。そのほか、主食用米の圃場に戻すときは、飼料米のその品種だけが枯れてしまう除草剤をあえて使い、こぼれダネを退治してコンタミを防ぐなど、裏ワザ的な工夫も満載!
・記事タイトル「聞いてみた 飼料米向き多収品種の選び方」
収量狙うなら、オオナリか北陸193号!
でも一番のお気に入りは、みなちから!?
◆「用語集」の解説もあわせてご覧ください。→ 飼料米
◆飼料米栽培の実践事例はビデオも多数あります!
『つくるぞ 使うぞ 飼料米・飼料イネ 第1巻 飼料米編』
2021/3/1