正月、七夕、盆、祭り、田植えなど人が大勢集まるときの食卓を飾る笹ずしは、県内では柏崎から上越、糸魚川にかけての南西部で広くつくられています。一つは小ぶりなので具のちがう7種類を全部食べても大丈夫です。笹の葉を皿の代わりにして、直接手で持って食べると笹の香りがさわやかで、ついついもう一つと手が伸び……
県の中部に位置する西三河は米づくりがさかんな地域です。ここではちらしずしや巻きずしなど、すしは行事ごとに年中つくっていましたが、年に1度の秋祭りは特別で、祭りのごちそうとしてつくられたのがこの箱ずしです。大勢集まった親戚には、各家で手づくりした箱ずしをそれぞれお土産に持たせたそうです。その際、飯……
冬の大根がおいしくなる時期に、海なし県でも手に入る新巻鮭の頭を材料に、酒粕で臭みを消しながら旨みを引き出し、野菜とたんぱく質源を同時にとれる料理です。県南部の佐野市や足利市、栃木市など両毛地区と呼ばれる地域で食べられます。 栃木県では、2月の初午《はつうま》前後につくる行事食の「しもつかれ」が有……
のっぺいは県全域でつくられる代表的な郷土料理ですが、地域ごとに特色があります。新潟市近郊では里芋が中心で、祝いごと用と仏事用を区別します。正月用には10種類くらいの材料の中に生鮭、鶏肉、いくらが入り正月料理の主役級の存在です。祝いごとでは材料を拍子木切りか短冊切りにします。仏事用には精進仕立てで……
三陸沿岸では鮭の身とはらこ(いくら)の醤油漬けを紅葉漬けと呼びます。秋から冬にかけてつくられる郷土料理で、年末に漬けこみ、正月の酒の肴とされてきました。 鮭は太平洋から三陸沿岸の河口に戻り、川への遡上前が、脂肪がとくに多くおいしいとされています。産卵後は脂肪もたんぱく質も減り品質が落ちるので、紅……
札幌まつりは明治のはじめから続く北海道神宮例祭のことで、毎年6月14日から16日に行なわれます。本格的な初夏の訪れを告げる行事でもあり、札幌市民最大の祭りとして親しまれてきました。 北海道神宮のお参り、山車《だし》の見物、中島公園の露店と楽しみが多い祭りですが、15日の例祭の日に家族で食べるごち……
佐久や伊那地方は塩鮭が年取り魚で、佐久地方では大晦日には酒粕で煮こんだ粕煮を食べてきました。酒粕で塩鮭を煮ると、魚の生臭みは抜け、それでいて塩鮭のおいしさはそのままに。しょっぱさと酒粕の甘味があいまって、ご飯によく合い、酒肴にもなる冬のおかずです。煮汁の味つけや煮つめ具合は好みで、ゆでた塩鮭に濃……