奈良市や天理市の雑煮は焼き丸もちの白味噌仕立てです。もちは雑煮から出し、きな粉をつけて食べます。丸く切った大根や里芋などの具には和(輪)を大事に、丸く収まるようにとの思いが込められ、きな粉は黄金色が豊作を意味しています。豆腐は白壁の蔵が立つようにと蔵に見立てて切ります。 大和郡山市は白味噌仕立て……
阿武隈《あぶくま》地域には、昔から凍み豆腐や凍み大根など、冬の寒さを利用してつくる保存食があり、凍みもちもその一つです。標高400~600mの鮫川村では、気温がマイナス20℃前後になる1月末頃に、もち米と一緒にうるち米粉とごんぼっぱ(オヤマボクチの葉)をついてもちをつくり、スライスしたものを2カ……