バターもちは、もちにバター、卵黄、砂糖などを混ぜてつくったもち菓子で、甘さとバターの風味、口当たりのやわらかさが特徴です。県北部、北秋田市の阿仁前田《あにまえだ》地区を中心に、昭和の中頃から各家庭でつくられ、おやつや携行食として親しまれてきました。 北秋田市阿仁のマタギ地域では、広く北海道まで行……
県南の米沢市と周辺の置賜《おきたま》地方では昔から、味噌と砂糖で味をつけ、くるみや大豆などを入れてついた味噌もちがつくられてきました。甘じょっぱい味にくるみのコクが加わったもちは焼いてそのまま食べるもので、昔も今も冬のおやつの定番です。 昔は臼でつきましたが、今は1升づき、2升づきなどのもちつき……
奈良県の伝統的な米菓子で、冬に仕込んで年中食べる素朴な味のおやつです。県北東部の山添村は三重県との県境に位置する高原の村です。夏は冷涼、冬は厳寒で、冬の寒く乾燥した日が続く気候をうまく利用してつくられています。ただしつくるのは、奈良の東大寺二月堂の行事であるお水取りが終わる3月中旬まで。それ以降……
鳥取では冬になるとかきもちをつくります。なかでも中国山地の東部に位置する智頭町《ちずちょう》はかきもちづくりがさかんな地域で、1月5日の小寒から節分までの寒の時期には、薄く切ったもちをわらで編んだものが部屋中にすだれのようにつるされている光景が見られます。ここでは寒の時期に氷が張るほど冷たい水で……