『農業技術大系土壌施肥編 追録34号』をアップしました。化学肥料が値上がりする中、化学肥料の効率的な使い方、有機質肥料や有機廃棄物資源の有効活用法が注目されています。今回は、それらの肥料と使い方について一挙収録しました。
![写真1 生産量が減る化学肥料の中で、生産量を維持している粒状配合(BB)肥料。(依田賢吾撮影)](/news/wp-content/uploads/2023/03/726426ee1fa65a6daa71b76202ac3d4d-1024x683.jpg)
配合肥料は、硫安やりん安などの無機質肥料や有機質肥料を原料に、単に物理的に混ぜるため、化学的操作を加えて製造する化成肥料に比べて比較的安く製造できる。生産量は、2004年以降化成肥料を上回る。なかでも粒状配合肥料(写真1)は地域、土壌、作物に合わせて配合できるため、人気が高い。
![写真2 硫黄コーティング肥料(黄色)が配合された一発肥料](/news/wp-content/uploads/2023/03/cac3b79f3a2ba78e819443b87cf36ffd-1024x680.jpg)
化成肥料のなかでも肥効が長く省力的な被覆肥料(コーティング肥料)は生産量が伸びている。肥料成分を被覆する樹脂の圃場外流出が問題となっており、樹脂を使わない硫黄コーティング(写真2)のほか、ウレアホルム、IB、CDU、オキサミドなどの緩効性窒素入り化成肥料が注目されている。
![写真3 新たな制度によって販売されるようになった指定混合肥料(朝日アグリア株式会社の「農家想い」)](/news/wp-content/uploads/2023/03/4f88d96f7d5227e0e391acc8c8481855-1024x721.jpg)
2020年12月に創設された指定混合肥料制度によって、家畜糞由来の堆肥と化学肥料、有機質肥料が混ぜて流通できるようになりました。販売銘柄も徐々に拡大中です(写真3)。国内未利用資源である堆肥の肥料利用が進むことが期待されます。
2023/03/30