今号では、化学肥料の高騰や地球温暖化の問題から注目のチッソ固定菌(チッソ固定細菌)の生態と資材を取り上げました。また、土壌管理による土壌病害対策も収録。さらに近年、大きな問題となっている高温対策の一つとして、バイオスティミュラント資材の利用法なども取り上げました。

写真1は、チッソ固定菌資材(イネファイター)を散布したイネ苗で、緑の蛍光部分は菌が定着している地際の生長点近傍部分です。チッソ固定菌が定着することで免疫を活性化させ、茎数増加、収量増加につながることを株式会社前川総合研究所が報告しています。なお、名古屋大学の近藤始彦先生らは、イネの茎では茎のもっと基部の「不伸長茎部」に炭水化物が多く蓄積しており、これをエネルギー源としてチッソ固定菌が定着し、チッソ固定していることを明らかにしました。

写真2は左右どちらもニラの株です。栽培終了後にそのまますき込んだ右の株は茎が分解されていませんが、残渣を分解する微生物資材(分解ヘルパー)と混ぜてすき込んだ左の株は分解されています。分解が進んだ株は薬剤が届きやすくなり、ネダニ防除や二次感染の病害防除につながります。すき込みの処理法によって分解程度が大きく変わることを黒木修一先生(宮崎県総合農業試験場)がまとめています。

写真3はバイオスティミュラント資材(ライゾー)の施用・無施用を比べた根。施用した右の根は明らかに太くなり、根毛も増えています。株式会社サカタのタネの高木篤史さんは、高温ストレスに強くするには根が優先して張っているかどうかがポイントであるとして、あらかじめ遮光して作物周辺の温度を下げておいて、根を張らせてから葉面散布をするなど、バイオスティミュラント資材の効果的な利用法を解説しています。
2026/04/22