昭和35~45年までに、地域に定着していた家庭料理を聞き書き調査しレシピとともに記録した「伝え継ぐ 日本の家庭料理」のコーナーに、本には載っていない料理を大幅に追加しました。
「伝え継ぐ 日本の家庭料理」は、(一社)日本調理科学会が、全都道府県ごとに委員会を設置して調査し、それぞれの地域でこれから100年先もつくって食べてほしいと思われている料理をまとめたものです。詳しくはこちら。
紙の本としては「別冊うかたま 伝え継ぐ 日本の家庭料理」と、同内容でその愛蔵版の『全集 伝え継ぐ 日本の家庭料理』として完結しています。どちらも全16巻で、収録料理数は約1400品。北海道から沖縄まで、すべての都道府県のお国自慢の料理の思い出とレシピがまとまりました。
ただ、ページ数と値段の関係で、調査・記録した料理のすべてを紹介することはできなかったため、その分をネットで補う形で公開するのが「WEB限定料理」です。その数約500品。
今年3月にまずは21品を追加公開し、この度、155品をまとめて追加公開いたしました。その一覧はこちらからご覧ください。
今回はとくに「汁もの」の追加が多くなりました。山形の夏の味「くじら汁」、三重、滋賀、島根からはそれぞれのご当地自慢の「しじみ汁」、宮城、栃木、京都の「けんちん汁(けんちゃん)」、沖縄の「ソーキ汁」などバリエーション豊かな汁ものの世界が広がります。
他にも岡山の「アラスカご飯」、新潟の「せんぞうぼう」、静岡の「ちんちん揚げ」、東京の「そぎの煮物」、高知の「こんちん」、鹿児島の「ななとこいのずし」など、地元の人には当たり前でも知らない人には想像もつかない料理がたくさん。ますます充実した「伝え継ぐ 日本の家庭料理」をどうぞお楽しみください。
- 今後の予定としては、8月上旬に約150品、9~10月にかけて約150品を追加して、すべての料理を公開できるようにしたいと考えています。
- 昭和35~45年を対象に調査した「伝え継ぐ 日本の家庭料理」と、大正末~昭和初期を対象に調査した「日本の食生活全集」を横断的に検索することもできます。ルーラル電子図書館トップの検索欄の下のチェックボックスで「家庭料理」と「食全集」をチェックして検索してください。より多くの事例で比較でき、戦前と戦後の変化も見え、地域の食文化が一層立体的に見えてきます。
2023/6/26