農村力発見事典 『季刊地域』の用語集 59ワード

農村力発見3 農が基盤、農家が基盤

草刈り動物

農、農家

助け合って続けていく

季刊地域30号(2017年夏号)100ページ


 草ボウボウでげんなりする荒れ地も、急斜面で田んぼより広い法面も、イノシシが出そうな山際も、放牧すればムシャムシャ草刈りを進めてくれる動物のこと。人手が少なくなったむらの草刈りを担ってくれるだけでなく、動物がいる光景は癒し効果もバツグンだ。

 草刈り動物は、それぞれの特性に合わせた活躍場所がある。ヤギは高いところが大好きで、急傾斜の法面の草刈りはお手のもの。灌木の新芽やササなども好み、大人のヤギ(60kg程度)は1日に青草で6〜8kgほど食べる。ヒツジは平地の草刈りが得意。丈の短いやわらかい草が好物で、地際からきれいに食べるので芝刈り機のように刈り跡がきれいだ。

 また、本気で広い荒廃地に挑むなら、食べる量が半端でない牛がオススメ。傾斜がきついと踏圧で法面やアゼが崩れるので注意が必要だが、棚田や林間放牧の実績も多数ある。豚は草の根や茎だけでなく、強力な鼻で地面を掘って根こそぎ開墾。木が生え始めた荒廃地や遊休桑園に放すと、草刈り機というよりは耕耘機の代わりをする。ほかにも、太陽光発電のパネルの下草刈りをエミューに、果樹園の草刈りをニワトリやガチョウに任せる例もある。また、草刈りだけじゃもったいない。せっかく飼うのだから、ヤギ乳や羊毛、ラム肉など副産物で稼ぐことにも挑戦すれば、さらに楽しい。

 草刈り動物はレンタルや譲渡もあるが、2011年に家畜伝染病予防法が改正され、ヤギやヒツジを飼う場合も、豚や牛と同様に都道府県の家畜衛生保健所への報告が必要になった(ただし、飼育頭数が6頭未満の場合は、頭数の報告のみでOK)。

→「特集 草刈りを担うのは誰だ」21号(2015年春号)

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